パシフィックビジネスコンサルティング、日本ビジネスシステムズ、日本マイクロソフトは6月5日、マイクロソフトの中小企業向けオールインワン・クラウドビジネスアプリケーション「Microsoft Dynamics 365 Business Central」の導入に特化したパートナーコンソーシアム 「Cloud ERP Partners for SMB」を設立した。同日時点で、国内外の15社がコンソーシアムへの参加を表明している。
同コンソーシアムは中小企業におけるデジタル変革を支援することを目的としており、年商50億円から300億円の中小企業がターゲットの中心となる。
パシフィックビジネスコンサルティング、日本ビジネスシステムズがコンソーシアムの主幹事、日本マイクロソフトが事務局を務める。3社は、今後3年間で、同製品を1000社に導入し、コンソーシアムの参加企業からスペシャリストを1000名育成することを目指す。
1000社の顧客達成に向けては、事例やデモを中心にしたデジタルコンテンツ・キャンペーンを展開し、全国規模の中小企業向けセミナーを開催し、潜在顧客の需要を喚起する。
1000名のスペシャリスト育成に向けては、日本語によるデジタルラーニング・コンテンツを展開し、トレーニングパートナーとの協業により実践的なワークショップを提供する。トレーニングは、基礎2日間と開発者向け5日間位の合計7日間のマイクロソフトの正規のプログラムに基づく内容となっている。
米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントの沼本健氏は、「中小企業はポイントソリューションを導入しているケースが多く、その場合、横断的にビジネスを見ることができない。かといって、IT投資を増やす余力もあまりない。そこで、われわれは中小企業向けに、包括的なビジネスアプリケーションであるMicrosoft Dynamics 365 Business Centralをクラウドとして提供する。Dynamics 365は日本では認知度が低いが、グローバルでは実績がある」と、Microsoft Dynamics 365 Business Centralの意義について説明した。
コンソーシアムの主幹事を務めるパシフィックビジネスコンサルティング 取締役 業務管理本部長の荻田篤史氏は、「Microsoft Dynamics 365 Business Centralは昨年10月にリリースされたが、問い合わせが殺到している。対応可能なエリアや業種を拡大し、スペシャリストを育成するため、今回、Cloud ERP Partners for SMBを設立した」と、Cloud ERP Partners for SMB設立の背景を語った。
荻田氏によると、アパレル会社のメゾン・キツネが日本で初めてMicrosoft Dynamics 365 Business Centralを導入し、3カ月で導入を済ませたという。
日本ビジネスシステムズ 執行役員 ビジネスソリューション本部担当の浩氏は、コンソーシアムの優位性として、「Microsoft Dynamics 365 Business Centralの短期導入の実現」と「TCOの削減」を挙げた。
コンソーシアムでは、Microsoft Dynamics 365 Business Centralを最短3カ月で導入することを目指す。また、櫻田氏によると、Microsoft Dynamics 365 Business CentralはオンプレミスのERPソリューションと比べると、10年利用することで、最大で90%のコストを削減できるという。
「オンプレミスの場合、ハードウェア、OS、ミドルウェアなどが必要になり、中小企業の場合、7000万円から8000万円かかると言われている。さらに、導入コストの1割ほどの保守料が必要になる。Microsoft Dynamics 365 Business Centralの場合、カスタマイズせずにそのまま使っていただくことが前提となるが、オンプレミスを利用する場合と比べて、TCOを最大で90%削減できる。一般に、経営層はクラウドサービスをそのまま使うことに同意しているケースが多いので、トップが主導で進めていただければと思う」(櫻田氏)