米IC Insightsは5月30日、2018年のセンサ/アクチュエータ市場および2023年に至る今後5年間の成長予測を発表した。同社の語るセンサ/アクチュエータというのは、世界半導体市場統計(WSTS)の定めるカテゴリ分類にしたがったもので、オプトエレクトロニクスに分類されるイメージセンサや光センサは含まれていない。
センサ/アクチュエータ市場は2016年および2017年に2桁成長した後の2018年、成長率は鈍ったものの前年比6%増の147億ドルと堅調に拡大した。成長率の鈍化傾向は、2019年第1四半期(1~3月期)でもみられ、同四半期の成長率は前年同期比2%増に留まっている。在庫水準の減少、出荷数量の伸びの鈍化、世界経済の不確実性などが成長率鈍化に影響を与えているとIC Insightsは分析している。しかし、センサ/アクチュエータ市場は、2019年後半には持ち直す見通しで、結果として通年の市場規模は、前年比5%増の154億ドルと史上最高額を更新すると同社では予測している。
その後も、世界経済の弱体化と先行き不安から、2020年も同3%程度の成長率に留まる見込みとするが、2021年から2023年にかけては勢いを徐々に取り戻し、2023年には200億ドル越えの211億ドルに達するとIC Insightsは予測している。その結果、2013~2018年の間の年平均成長率は9.7%(金額ベース)ならびに14.7%(数量ベース)、2018~2023年までは同7.5%(金額ベース)ならびに10.5%(数量ベース)としている。
IC Insightsによると、世界市場におけるセンサ市場の規模は、2016年に前年比14%増、2017年に同15%増となった後、2018年に同8%増と鈍化しつつも、成長率は同8%増のやや鈍ったものの、規模そのものは過去最高の91億ドルに達した。一方のアクチュエータ市場も、2016年に同19%増、2017年に同18%増となり、2018年に同4%増と鈍化しつつも、こちらもやはり史上最高の55億ドルとなったとする。2019年は、センサ、アクチュエータともに同5%増程度の成長見込みで、市場規模はそれぞれ96億ドル、58億ドルと予測している。
2018年に販売されたセンサおよびアクチュエータの約83%がMEMS技術を用いた製品で、主に圧力センサ(マイクチップを含む)、加速度計、ジャイロスコープ、アクチュエータなどに用いられている。IC Insightsによると、MEMSベースのセンサとアクチュエータの売上高は、2016年に前年比15%増、2017年に同18%増、2018年に同6%増と右肩上がりで成長を続けてきており、2019年も同5%増の128億ドルと過去最高記録を更新する見通しだとしている。
なお、センサ分野の主要3市場「圧力センサ(MEMSマイクロフォンチップを含む)」、「加速度/ヨーセンサ(加速度センサおよびジャイロスコープデバイス)」、「磁場センサ(電子コンパスチップを含む)」の2018年の規模はそれぞれ同13%増の33億ドル、同4%増の34億ドル、同4%増の20億ドルであったという。