英Armは5月30日、パイオニアとモビリティ分野のデータマネジメントにおける協業を強化し、交通事故削減に向けたAI活用のデータ分析、および行動予測・事故予測モデルの構築に関する共同開発を推進すると発表した。

モビリティの変革や次世代交通への注目が高まる中、交通事故対策は世界的に重要な社会課題の1つとなっており、今回の共同開発ではパイオニアの既販車向け先進運転支援システム「Intelligent Pilot」を基盤に、同社のデジタル地図データを活用した分析技術と、Armのカスタマーデータプラットフォーム「Arm Treasure Data eCDP」によるデータプラットフォーム構築、分析、活用に関する知見を組み合わせ、さまざまな交通手段からのセンサデータ収集、AIを活用したデータ分析、事故削減のための行動予測・事故予測モデルの構築を行う。これにより、四輪車に限らず二輪車などを含めモビリティ全体の交通事故削減を目指す。

Armは、IoTデバイスから発生する大量かつ多種・多様なデータの管理・分析支援のためのデータ基盤としてArm Treasure Data eCDPを提供しており、これらのデータを収集、統合して「事故リスク予測プラットフォーム」を構築することで、事故リスクの高い地点を運転中のドライバーに通知するなど、交通事故削減に高い効果の見込まれる注意喚起をドライバーの状況に応じて行うことが可能だという。

データ管理基盤の選定にあたり、さまざまなデータソースと容易に連携可能なArm Treasure Data eCDPの柔軟性が高く評価されているほか、プロジェクトでは基盤の提供のみならず、構築支援を行うArmのデータサイエンティストがデータ分析に関わるの「分析技術およびロジックの設計」「データコーディネーション支援」「分析データ整形」「分析結果のモデル化」の4項目を支援する。

分析技術およびロジックの設計では、二輪車・四輪車の運転傾向、事故リスク予測、運転支援および渋滞予測を行うために必要となる分析技術とロジックを設計する。データコーディネーション支援については分析技術ロジックで必要となるデータ群の定義およびデータコーディネーション(データ収集・加工)を支援。

分析データ整形に関しては、収集したモビリティデータに対するデータの整形および分析を行うことに加え、分析結果のモデル化は技術支援分析結果に基づく予測モデル化を支援する。