インターネットイニシアティブ(IIJ)は、災害やテロ等有事におけるシステム復旧対策として、クラウド上に災害復旧(DR:Disaster Recovery)用サイトを構築するために必要なパーツや作業をワンパッケージで提供する「IIJシンプルDRソリューション」の提供を開始した。

同ソリューションでは、顧客の保有するシステムが搭載された仮想サーバを顧客サイトの被災時にクラウド上のDRサイトで復旧することを可能とし、1)DRサイトとなるクラウド、2)顧客サイトとDRサイトの仮想サーバを同期するツール、3)DRサイトの構築作業の3つをパッケージ化して提供する。

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従来、DR検討時に多くあった「高い」「難しい」「実現までに時間がかかる」といった課題を解消し、ノウハウや要員不足などで過去に検討したものの実現に至らなかった顧客も、災害復旧対策用サイトを容易に構築できるようになるという。

DRサイトは、IIJのクラウドサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 仮想化プラットフォーム VWシリーズ(IIJ GIO VWシリーズ)」または、Microsoft Azureが選択でき、たとえば基幹システムはIIJのクラウドサービス、価格重視の顧客はMicrosoft Azureなど、用途に応じて利用できる。

また、レプリケーションツールとしてZerto Virtual Replicationを提供し、顧客サイトとDRサイトの間で対象となる仮想サーバをリアルタイムで同期し、初回に同期したのち顧客サイトで稼働中の業務システムなどで生成されたデータは、差分のみDRサイトに転送される。

さらに、DRサイトの構築に関わる作業を定型化し、同社のDRチームがこきゃキウ環境のヒアリングからDRサイトへのテスト移行までを支援する。具体的にはDR全体の設計、ドキュメント作成、新環境の構築、動作確認、問い合わせ対応となる。

価格はIIJ GIO VWシリーズがサーバはCPUコア数16コア、メモリ128GB、ストレージはNFS100GB、ネットワークは1Gbps(専有)で月額12万5000円、AzureはBlob Storageが224円(100GB)、Virtual Machinesが1.16円×24時間×31日(仮想サーバ1台)、Azureサポートが3万円で同約3万1000円。同期ツールは同7200円(仮想サーバ1台、DR対象となる仮想サーバのみで利用できる)、構築作業(初期費用)が6万9800円(仮想サーバ1台)、顧客サイトとDRサイトを結ぶネットワーク構築は個別見積もりとなる。