TrendForceの最新の調査によると、2019年第1四半期(1~3月期)におけるDRAMの販売価格、販売数量はともに下落した結果、同四半期におけるDRAM市場規模は前四半期比28.6%減と大幅に落ち込んだという。
また、主要DRAMサプライヤ各社ともに売り上げを同3割前後ほど落としているため、各社の市場シェアは従来からほとんど動きは見られず、首位のSamsungが43%、2位のSK Hynixが30%、3位のMicronが23%であった。
第2四半期も、4月に8GBモジュールの平均契約販売価格が四半期ベースで20%の下げ幅となる34ドルまで下落。それでも、不安定な世界市場の影響で、DRAMサプライヤの在庫水準は高まり続けており、その結果、5月そして6月もDRAM価格は下落を続け、同四半期全体で前四半期比25%減と、底が見えない状況になると同社では見ている。中でもDRAMの出荷数のうち30%を占めるサーバDRAMは、厳しい価格圧力にさらされると同社では見ており、結果としてDRAMサプライヤ各社の同四半期の売上高のさらなる下落は避けられない状況にあるとしている。
営業利益率も40%台へ下落
2019年第1四半期のSamsungのDRAM売上高は、前四半期比28.6%減。1Xnm採用サーバDRAMの一部が、米国の大口顧客にて品質問題を起こし、交換が必要となったことから、追加の営業費用と利益の低下を招いた結果、営業利益率も前四半期の66%から48%へと大きく下落した。とはいえ、同社のDRAM生産における粗利益率はまだ60%近くを保っているという。
Samsungの品質問題を受けて、代わりに出荷個数を伸ばしたのが2位のSK Hynixだが、この出荷数が伸びた時期が、価格が季節要因を含め安値となった3月に集中。その結果、同社の営業利益率は前四半期の58%から44%へと下落。3位のMicronも営業利益率を前四半期の58%から46%へと落としたという。
Samsungは、華城(ファソン)工場のLine 17と平澤(ピョンテク)工場(2階)が1Ynmへの移行を継続して行っているとしているが、現在の市場動向を考慮して、移行速度は抑えられているようである。一方で、1XnmサーバDRAMの品質問題への対処として、ダメージを最小限に抑えるために各製造ラインの生産能力を調整することを計画しているようだという。
一方で、SK Hynixの1Xnm DRAMの出荷個数は第1四半期で30%を超す状況にあり、1Ynmの導入も始まる予定だという。また、Micron Memory Taiwan(旧Rexchip)は現在1Xnmを使用してすべての製品を製造しており、次の目標として1Znmに向けて移行を進め、2020年にも出荷する予定としているほか、Micron Technology Taiwan(旧Inotera)も、1Xnmの出荷数量が全出荷数の半数以上を占め、上半期中に1Ynmの出荷数の割合を増やしていく予定としている。