クラスキャットは5月27日、米Googleがオープンソース化したAI(人工知能)のフレームワーク「TensorFlow」上に構築する高速・高精度なリアルタイム物体検出ソリューションの最新版「ClassCat ObjDetector v3.0」を6月から提供開始すると発表した。価格はオープン。

物体検出は活発に研究されているAI分野の1つで、画像や動画上の複数種類の物体の位置を特定してクラス分類することを可能にする応用範囲が広い技術。最新版の主な特徴は「TensorFlow新実行モード(Eager execution)に対応」「高速・高精度なAIアルゴリズムを新たにサポート」「動画のリアルタイム物体検出」「データ入力パイプラインAPI仕様の統一」の4点。

TensorFlowの優位点の1つとして静的計算グラフによる実行モード(グラフモード)の高いパフォーマンスだが、TensorFlowの最新バージョンでは高パフォーマンスを維持しつつ、より柔軟な構築が可能となる新しい実行モード(Eager execution)への移行が必須とされており、最新版は対応している。

また、高速・高精度なAIアルゴリズムを新たにサポートし「YOLO 3」「網膜ネット」と呼称される、これらのアルゴリズムはそれぞれ高いパフォーマンスと実用性が十分に評価されている最先端技術の物体検出アルゴリズムの1つで、特にYOLO 3のサポートにより動画におけるリアルタイム物体検出もできるという。

さらに、データ入力パイプラインAPI仕様を統一し、同製品で提供される複数の物体検出アルゴリズムの共通仕様のため、ユーザ企業はこの仕様に適合するアノテーション(画像データを注釈するメタデータ)ファイルを画像データとともに準備すれば、最新版を利用することを可能としている。

加えて、動作環境はマルチクラウド対応となり、GPUを装備するインスタンスやベアメタルの利用を可能とし、Amazon EC2、Microsoft Azure、IBM Cloud、Google Cloud Platform上で提供されるという。