太平洋セメントは24日、AIによる写真解析からコンクリートの製造工程に必要な"スランプ"を瞬時に予測する技術を開発したことを発表した。

安心で安全な生活のためには欠かせないセメント。1881年の小野田セメントの創立まで遡る沿革を持つ同社が開発したのは、固まる前のコンクリートの軟らかさを表す"スランプ"と呼ばれる指標値を写真から瞬時にAIで判断する技術。

  • 製造中におけるコンクリートの画像例(同社資料より)

    製造中におけるコンクリートの画像例(同社資料より)

同社では、製造工場のミキサ内でコンクリートが練り混ざる様子をオペレータがモニタで確認しているが、AIを用いることで99%以上の高い正解率(±2.5mm以内)でスランプを判断できるとしている。予測技術を実装することで、コンクリート品質のさらなる安定化、人手不足を解消する省力化や自動化へと進めるほか、技術開発により、工場現場の荷卸し時や硬化後の品質予測技術など発展的な活用も視野に入れている。

人の力ではなかなか難しい解析をデータの学習により導き出すAI。それぞれの企業が持つ専門的なジャンルでの活用が数多く発表されている。