オートメーション・エニウェア・ジャパンは5月23日、RPAプラットフォームの最新版「Automation Anywhere Enterprise 11.3.2」、AIソリューションの最新版「IQ Bot 6.5」の提供を開始すると発表した。
両製品に関して注目すべき点は2つある。1つは、ユーザーインタフェースが日本語に対応した点だ。「Automation Anywhere Enterprise」は同時に韓国語、フランス語にも対応した。「IQ Bot」のユーザーインタフェースはフランス語、ドイツ語、韓国語、スペイン語、繁体字/簡体字中国語にも対応し、文書処理は日本語を含む190言語に対応した。
セールス エンジニアの秋本尚吾氏は、製品のユーザーインタフェース以外のサポート、マニュアル、eラーニングなどは既に日本語に対応していたと説明した。
もう1つの目玉は、ABBYYの日本語対応OCRエンジンが標準で組み込まれた点だ。組み込まれているので、OCRエンジンを設定する画面から選択するだけで利用可能になる。秋本氏は「精度が高いABBYYのOCRエンジンを追加のライセンス料なしで使うことができる」と語った。
管理者向けの新機能としては「SIEM(セキュリティ情報イベント管理)との連携」「Active Directoryの自動検出」などがある。HP ArcSight、Splunk などのSIEMと連携することが可能になったことで、 HIPAA、ISOといったガバナンスフレームワークへの対応にかかる手間が低減される。Active Directoryの情報は前のバージョンも使えたが、自動検出はされなかった。インストール後のActive Directoryのトポロジー変更も自動で検出する。
「Automation Anywhere Enterprise 11.3.2」のエンドユーザー向けの主な新機能としては、Citrix環境の自動化機能、ブラウザの選択が可能になったこと、新たなAPIが追加されたことなどがある。Citrix環境の自動化機能については、ローカルとCitrixサーバそれぞれにエージェントをインストールするだけで、接続元でObject Cloningなどすべてのコマンドを利用することができるようになった。前のバージョンでは、画像から自動化を行う場所を指定するなど、手作業が必要だった。
APIについては、以下のものが追加され、 作成可能なBotの可能性が広がった。
- Botにデータを渡すためのAPI
- Botからデータを取得するためのAPI(コールバックサーバー経由)
- Botステータスを取得するためのAPI
- Botの詳細を取得するためのAPI
- スケジュールされたすべてのアクティビティを取得するためのAPI
例えば、Botにデータを渡すAPIとBotからデータを取得するAPIを活用することで、Botとシステウ間でデータの送受信を実現できる。この用途は特に金融機関でニーズが高いという。
一方、「IQ Bot 6.5」については、Webブラウザですべての操作が可能になり、文書処理機能を持つ新規のモバイルアプリが提供される。また、画像からテキストをCSV形式で抽出できるようになるまでのトレーニングが約5分で終了するようになった。
セキュリティの強化としては、すべてのアクション・ログをControl Roomの監査ログで記録するようになったほか、データベースが暗号化されるようになった。