ベルギーimecと同社からのスピンオフ企業Bloomlifeは、ウェアラブル5チャンネル心電計チップを開発したと発表した。
同チップを活用することで、胎児にとって2つの重要な健康指標である心拍数と動きを継続的かつ正確に監視することができるようになる。また、imecでは、今回のチップ開発により、20週という妊娠早期から胎児の心電図を正確に測定することができるウェアラブル心電図システムの実現に一歩前進したと説明している。
従来型のウェアラブル在宅妊娠監視システムの多くは母親の健康状態のパラメータの追跡、スポットチェック、あるいは子宮の収縮の監視といった用途に限定されており、胎児の健康状態そのものをリアルタイムで継続的に監視するものではない。
imec独自のIC技術のノウハウを活用したBloomlifeの専用チップ「BeatleIC」は、妊娠後期における胎児の心拍数や動きなどの健康指標を正確に追跡するために必要な特性をすべて備えた半導体チップであり、その特徴としては、以下の3点があげられるという。
- 5チャンネル心電(ECG)センサに、周産期のすべての健康関連の信号を同時に記録が可能
- 長期連続使用を可能にする低消費電力(コイン型電池で約1週間の寿命)
- 低い振幅レベル(3〜15μVのピーク - ピーク)で胎児の心電図データ収集が可能
Bloomlifeの共同創設者兼CEOであるEric Dy氏は、「この技術を市場に投入するための次のステップは、チップの測定結果をさらに検証するための臨床試験である。最終的には、センサデバイスをウェアラブルパッチに統合してスマートフォン向けアプリケーションと組み合わせた形の製品として提供する予定であるほか、医療関係者が使用できるリスク管理プラットフォームも提供する予定であり、我々は早産を含む出生前ケアにおける課題の解決を使命として開発を続けていく」とコメントしている。