IDC Japanは5月21日、国内AI(人工知能)システム市場を調査した結果として、2018年の同市場の分析と2018年から2023年の市場予測を発表した。これによると、同市場は2018年から2023年にかけて年平均成長率(CAGR) 46.4%で成長し、2023年の規模は3578億円に達するという。
同社は、同市場を自然言語処理と言語解析を使用して質問に応答し、機械学習をベースとしたリコメンデーションとディレクションを提供することで、人間の意思決定を補助/拡張する技術として定義している。
AIシステム市場の中でAIのコンピューティング能力を提供するサーバと学習データを蓄積するストレージで構成する、ハードウェアの2018年の支出額は2017年比119.8%増の142億円であり、市場全体の26.6%を占めた。
また、2018年のAIシステム構築のためのコンサルティングサービスやアウトソーシングで構成するサービスは、前年比87.2%増の200億円で市場全体の37.5%を占める。さらに、2018年のAIのコア機能を提供するAIソフトウェアプラットフォームおよびAIアプリケーションで構成するソフトウェアは、同78.6%増の191億円で市場全体の35.9%を占めている。
結果として、2018年のAIシステム市場全体は前年比91.4%増の532億円になったと推定。予測期間の初期では、ユーザー企業におけるAIシステムを検証する目的の継続的なPOC実施があるため、ITコンサルティング/ビジネスコンサルティング/インテグレーションなどのサービス市場の比率が高くなるが、予測期間の後半ではアプリケーションソフトウェアへのAI機能の組み込みが進展し、ソフトウェア市場の2018年から2023年における年平均成長率(CAGR)が53.4%と高い成長率を維持し、2023年には同市場は1619億円に達すると予測している。
同社のソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーである飯坂暢子氏は「ITサプライヤーは企業が外部環境の変革に着手し、継続的なDX(Digital Transformation)を実現できるようデジタルを核とするビジネスモデルをデザインできるコンサルテーションと、柔軟なAIシステム環境/サービスなど、顧客に多様な選択肢を提案できることが重要になる」と述べている。