amsは5月21日、同社最高執行責任者(COO)のトーマス・ストックマイヤー氏の来日に併せ、事業戦略説明会を開催。車載関連ビジネスをモバイル関連ビジネスに次ぐ事業へと成長させることを明言した。
同社は約35年ほど前から自動車関連にはカスタムICの提供を行ってきたが、今回掲げる車載事業の強化は、現在、同社が主力とするセンサを活用したソリューションで進めていくというもの。現状、日本では2番目に大きな事業で日本地域の売り上げのおよそ3割ほどの規模だというが、新規案件レベルで見ると、その比率は8割ほどとなるなど、同社が注力しようという背景が見えてくる。
周知のとおり、自動車はADAS関連ならびに自動運転の実現などに向け、さまざまなセンサの搭載が進んでおり、かつその数も年々増加傾向にある。amsでもそうした動向に対応するべく、センサを活用した運転支援ソリューションを中心に展開を図っている。
そうした取り組みの中、今回、同社ならびにティア2でオートモーティブLiDARセンサ技術の専門企業である独Ibeo Automotive Systems、ティア1の独ZF Friedrichshafenと提携し、amsのVCSELなどを活用した駆動系のないトゥルーソリッドステートLiDAR技術の研究開発を進めていることが明らかにされた。
VCSELなどの半導体素子を活用し、従来型のLiDARで用いられているミラーなどの駆動系を廃することで、小型化や高信頼性の確保などが可能となるため、amsではシステム全体として見た場合のコスト削減につながると説明している。
なお、amsではIbeo、ZFと協力して開発を進めていくことで、2021年までに同技術の実用化を図りたいとしている。