KDDI総合研究所は5月20日、NHK放送技術研究所(NHK技研)と、テレビ番組に関連したロボットの発話を起点に視聴者の世代や顔ぶれに応じて幅広く話題を展開できる、雑談対話型AI(人工知能)を搭載したロボットを共同開発したと発表した。新技術により、家族間のコミュニケーションを活性化するとともに、ロボットと一緒に楽しくテレビを視聴する新しいテレビ視聴体験を実現するとしている。

  • 雑談対話ロボットの全体イメージ

    雑談対話ロボットの全体イメージ

同ロボットでは、NHK技研が研究を進めているテレビ視聴ロボットにKDDI総合研究所の雑談対話型AIを搭載することで、テレビ番組をロボットと共に楽しめる新たな世界観を実現したという。

このため、視聴者の世代や顔ぶれに合わせた「対話パーソナライズ技術」、番組内容に連動しながら幅広い話題を楽しめる「話題連動型発展対話制御技術」の2つの新技術を開発。

対話パーソナライズ技術は、ロボットに搭載した人間の顔属性のAI識別モデルにより、視聴者の世代や、2人以上の場合にはどんな世代の組み合わせなのかを推定し、ロボットからの質問への返事に応じて番組関連の雑談話題候補の中から視聴者の世代や顔ぶれに合った話題を選択する。

例えば、夫婦で番組を視聴する場合と子供や孫と一緒に視聴する場合など、異なる場面に応じてそれぞれ適切な対話ができる雑談を可能にしたという。

一方、話題連動型発展対話制御技術は、NHK技研が開発した、視聴中の番組のEPG情報や字幕情報などからキーワードを抽出して対話のきっかけとなる番組内容に関連した発話を生成する技術と、KDDI総合研究所が開発した雑談対話型AIで動作する時事話題対話エンジンを組み合わせたものとなる。

これにより、視聴している番組の内容に直接関連した対話に加えて、番組に関連するニュースも含めた幅広い内容の雑談対話をロボットと楽しめるとしている。