ガートナー ジャパンは5月15日、国内企業におけるビジネス・インテリジェンス(BI)ツールの導入状況とその利用実態に関する調査結果を発表した。
調査対象者の74%が自社でBIツールを利用していると回答した一方、BIツールを導入している企業でも、企業内の個人(同調査の回答者自身)に着目すると利用への積極性には差が見られた。
自社でBIを利用しているという回答者のうち、最も多い割合の41%が自身では利用しておらず、主に自身の分析ニーズによって能動的に利用しているという回答者は35%だった。
さらに、自社でBIを利用しているという回答者に、「毎日」から「毎月利用するとは限らない」の6段階の選択肢を用意して利用頻度を尋ねたところ、すべての段階において選択率が10%以上となった。
能動的に利用しているユーザーの方が、受動的に利用しているユーザーよりも利用頻度は高い傾向にあるが、能動的に利用しているユーザーの中にも、「毎月利用するとは限らない」という回答が10%以上あった。
利用中のBIツールに対する不満を最大3つまで選択可能とした設問では、「ツールの使い方が難しい、使いこなせない」という回答の割合が37%と最も多く、次に「パフォーマンスが低い、処理に時間がかかる」(27%)、「導入の有用性あるいは費用対効果を検証するのが困難」(22%)が続く結果となった。
最近では、グラフィカルなインタフェースで直観的に利用可能であることを売りにしているツールも数多くあるが、そのようなツールであっても、一部のパワー・ユーザー以外にはハードルが高いという声を同社は耳にしているという。今回の結果でも、そうした声がBIツールに対する不満として最も多かったことから、利用する上でハードルが高いと感じているユーザーが多数いるのは確かと見られる。
一方で、「提供される機能が足りない」「提供されるグラフなどビジュアルの種類が足りない」と回答したユーザーもそれぞれ20%程度いた。利用しているツールの種類やバージョン、ユーザーのデータ・リテラシーによっては、物足りなさを感じているケースもあり、利用しているBIツールの機能とユーザーのデータ・リテラシーのマッチング状況にもばらつきがあることが浮き彫りになった。