大日本印刷(DNP)は15日、同社の透明スクリーン技術を活用し、明るい空間でもARやサイネージをクリアに表示させる新製品「Smart Display Window」の開発を発表した。

  • 3つの「Smart Display Window」の連結、コンテンツは株式会社デイジー(同社資料より)

    3つの「Smart Display Window」の連結、コンテンツは株式会社デイジー(同社資料より)

1876年銀座の秀英舎の発足以来、印刷技術の革新を進めてきた同社。布地や包材、建材に精密機器へと印刷技術は"拡印刷"を実現、現在では非常に多くの分野の技術革新に寄与している。"透明スクリーン"も同社が手がけるジャンルのひとつだ。プロジェクターなどで透明なスクリーンに映像を投影することでキャラクターや空中に浮かぶオブジェクト、情報の表示などまるで"手品"のようなサイネージが可能になる。同社が新たに開発したのは、透明スクリーンと電圧のオン/オフで明暗を瞬時に切り替えることで透過をコントロールする調光フィルムを一体化した製品「Smart Display Window」。

透明スクリーンでは困難であった、背景の明るい状況でのクリアな映像表示を実現するほか、光の透過度合いを切り替えられるため、背景に見える現実の空間とCGやテキスト、動画や静止画などを組み合わせられる。いわばARの演出を実現できるようになる。また、複数の透明スクリーンをタイル状につなぎ合わせ大型化することも可能でコンテンツとの連動で大規模で新感覚のサイネージも期待できる。

  • 実際の活用例。富士山を眺める実際の背景に投影映像を表示させる(同社資料より)

    実際の活用例。富士山を眺める実際の背景に投影映像を表示させる(同社資料より)

  • 遮光してテキストや画像だけを表示(向かって左)、透明にして情報を重ねるAR演出(向かって右)(同社資料より)