The Linux Foundationは現地時間6日、産業の垣根を越えたオープンソースでのブロックチェーン技術の開発に取り組むHyperledgerプロジェクトにおいて、フレームワークのひとつIroha 1.0がGA(General release)に到達したことを発表した。
GitHubに一式が設置してあるほか日本語のドキュメントも用意してある。組み込みコマンドを用いた権限システムを持つ分散型台帳を構築するIrohaは、LinuxやMac OS上で動作し、暗号化やユーザーやドメインレベル、システムレベルなど定義されたレベルごとのアクセス制御も提供する。ネットワーク参加者全員でのデータ管理というブロックチェーンの特色に加え、役割ごとの権限を付与できる特徴も持つ。ドキュメントには、教育やヘルスケア分野における証書、国際間の資産移転、金融業務におけるアプリケーションなど特徴を活かしたユースケース例も紹介されている。
1.0ではYAC(Yet Another Consensus)と呼ばれるビザンチン将軍問題( Byzantine fault tolerance)における効率的なアルゴリズムを実装、ある程度のノードが不具合や信頼性に欠ける場合でも元帳の安全性を確実にするためコンセンサスを提供する機能が搭載するほか、プリケーションが取引の実行に複数の署名を必要とする場合のマルチ シグネチャ機能、モバイルからメインフレームまでIrohaアプリケーション作成のためのクライアントライブラリ、試験的(experimental)なWindows環境のサポートを発表している。