Dell Technologiesは、米国ラスベガスで開催した「Dell Technologies World 2019」おいて、「Making 5G Real」と題したトークセッションが行われ、5G時代に必要なインフラについて、識者が意見を交わした。

参加したのは、Dell Technologies OEM & IoT Solutions Senior Vice President and General ManagerのBryan Jones氏、Intel Data Center Group 兼 Network Business Incubator Division General Manager Caroline Chan氏、VMware Executive Vice President Strategy & Corporate Development 兼 Telco NFV Group GM Shekar Ayyar氏、Pivotal Senior Vice President of Strategy James Watters氏の4名。

モデレータは、Futurum Research Principal Analyst 兼 Founding PartnerのDaniel Newman氏が務めた。

  • 左からDaniel Newman氏、Bryan Jones氏、Caroline Chan氏、Shekar Ayyar氏、James Watters氏

インフラは4Gから5Gになってどう変わっていくのか?

Caroline Chan氏:5Gなれば、クラウドネイティブな技術が入ってくる。これまでは、目的に沿ったインフラを導入していたが、今後は特定の電話用ということではなく、いろいろなアプリを走らせることができるようにしなければならない。ネットワークはもっとクラウドネイティブにすることが大切で、それによっていろいろなエコシステムが広がっていく。

Shekar Ayyar氏:クラウド業界の人にとって5Gは、これまでやってきたことの継続だと思うかもしれないが、テレコムやキャリアにとっては、新しい驚きだ。キャリアは、機敏な展開やアプリサービスの面で遅れていた。エンタープライズのビジネスは、テレコム側よりも早く変化してきており、すぐにアプリケーションを展開していくのが当たり前の世界だ。5Gによってクラウド環境がテレコムの世界にも入ってくるのは、うれしいことだ。今後は業界のスタンダードを作り、クラウドネイティブなアプリの展開を担保しなければならない。

James Watters氏:テレコムのプロバイダは、もっとクラウドネティブな会社と一緒に連携し、ビジネスをもっと早く回さなければならない。最近はチップの進化や帯域の改善だけでなく、コンテナやDevOpsなども出てきている。キャリアの人たちも、これらに無関心であったわけではなく、対応できる人材も採用してきた。ヨーロッパのキャリアの人たちは、基盤を変更するのに4年かかると言っていたが、コンテナを利用すれば、1週間でできる。ただ、1-2年もすれば、クラウドプロバイダのスピードに追いついてくるだろう。

Bryan Jones氏:旧来のエッジは、コンピュータ、ストレージ、ネットワークなど、タワーベースで行っていたが、今後はもっとたくさんのエッジが増えてくる中で、それらをどう束ねていくのかだ。そこに大きなチャンスがある。キャリアは今後、新しいアプリや機能をビジネスにダイナミックに入れていかなければならない。キャリアのビジネスも大きく変わっている。われわれはこれまでのように何年というレベルではなく、何時間という単位でアプリを提供できるようにサポートしている。これまで、誰も思いつかなかったような機会が訪れる。

Shekar Ayyar氏:われわれはポイントベースの戦術に惑わせられているところがある。キャリアは木を見て、森を見ずというところがある。ネットワークの仮想化というようなことではなく、5Gによって新しいビジネスが生まれてくる、クラウドプロバイダーとの競争になるといった大きな視点で見る必要がある。キャリアはもっど5Gの未来を見据える必要がある。インフラを提供している側は、これから新しいビジネスが生まれてくるという思いがあるが、キャリアはどうしても直近のことや売上、マネタイズいうことに目を奪われて、5Gを長期的に見ない傾向がある。

Shekar Ayyar氏:キャリアというは、これまでの4Gのインフラがあって、5Gに入っていかなければない。インフラを、これまであったものから、どうやって新しいものに変更していくかだ。ヨーロッパでは、これまでLTEや4Gにたくさん投資してきた中で5Gが出てきた。4Gをサポートしながら5Gにいくには巨大な投資が必要になるという懸念がある。

Bryan Jones氏:だからこそチャンスがある。Carolineが言ったように、これからは1つの専用ボックスを使うのではなく、仮想化を使えばすべての機能を同じプラットフォームに載せることができ、大きな柔軟性を手に入れることができる。インフラは1つの専用ボックスを1つの目的のために使うのではなく、より仮想化、コンテナ化することによって、より多くの能力を載せることができる。そうすれば、4Gをやりながら、5Gに移行できる、その際、VMwareが重要なコンポーネントになる。

Shekar Ayyar氏:5Gに移行することで、3Gや4Gの投資を無駄にすることはない。ネットワークスライシングを考えると、真にEnd to Endでネットワークスライシングを提供しようとすれば、ネットワークやストレージのところも対応しなければならない。5Gを待っているということではなく、5Gになったらどういうインフラが必要になるかを考え、取り組んでいる。これまでのインフラを捨てていくのではなく、これまでのものに新しいスタックを載せていけばいい。