ヤフーは5月9日、「Yahoo!ショッピング」のiOS版アプリ上で再認証を求められた際に、TouchIDやFaceIDといった生体認証を利用できる機能を導入したことを発表した。
これによると同社ではこれまでも、Yahoo! JAPAN IDの利便性と安全性向上のため、パスワードを使わないログイン方法(パスワードレスログイン)の導入を推進してきた。
2017年4月には、新規にYahoo! JAPAN IDを取得するユーザーに対し、スマートフォンのSMSやメールに送られる確認コードでログインできる機能を提供開始。2018年5月には、設定済みのパスワードを無効にし、同じく確認コードでログインできる機能を、2018年10月にはAndroidスマートフォンのブラウザーでログインを行う際の生体認証対応を実施している。
そして今回、パスワード失念時の対策として、「Yahoo!ショッピング」のiOS版アプリに生体認証機能を導入した。
ヤフーの提供するスマートフォンアプリでは、利便性向上のためログイン情報をアプリ上に保存しており、ログアウトしてもパスワード入力不要でログインできる。さらに、再認証が必要なシーンも少ないため、パスワード忘れにつながってしまっていることが多く、再認証時にパスワードがわからないといった状況を招いていたという。
今回、同社が提供するiOS版アプリにおいて初めて、Touch IDやFace IDを使った再認証機能を導入することで、アプリのさらなる利便性向上を図りたい考えだ。
なお、安全性については、ユーザーがパスワード無効化と合わせて生体認証機能を利用することで、悪意のある第三者が不正アクセスを試みる代表的な手法「リスト型攻撃」を防ぐことが可能となり、Yahoo! JAPAN IDの安全性向上にもつながると説明する。
なお、2019年5月時点で、パスワードを使わないログイン方法の利用者は月間1000万IDに達し、安全で便利なログイン環境は拡大を続けている。今後、対応するiOS版アプリを拡大するほか、Android版アプリへの導入も進め、パスワードレスな世界の実現を目指していく考えだ。