NTTとNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズは5月9日、特殊詐欺の撲滅に向けてグループが有するサービス・技術などを活用し、特殊詐欺解析AIを用いた実証実験を行うと発表した。
特殊詐欺は、これまでも対策が講じられてきたが、手口は巧妙化・複雑化しており、認知件数・被害額も依然として高い水準で推移していることに加え、金銭的な被害に留まらず、人命にかかわる事件も発生したことなどにより、電話に出ることに対して不安を感じられるケースが増加しているという。
こうした状況を踏まえ、安心して電話を利用してもらえるようにNTTグループとして、特殊詐欺解析AIを用いた実証実験を行うことを決定した。
実証実験では、利用中の電話機に接続する特殊詐欺対策アダプタから録音した通話内容をクラウド上に転送し、特殊詐欺解析AIが通話内容を解析。特殊詐欺であると疑われる場合などには、本人や親族のあらかじめ登録された人に注意喚起メールを送信する。これにより、本人や親族の方などが詐欺の危険性を察知することが可能になるという。
実証実験の目的としては、利用者および行政機関などの要望の把握、特殊詐欺解析AIの精度向上、端末設置や設置後のアフターフォローなど運用面を確認する。場所は行政機関などと調整した上で東京都内で行い、期間は2019年度第2四半期中に開始し、その後は数カ月実施を予定。実証実験の結果を踏まえ、必要なサービス・機器などの開発に着手し、準備が整い次第、サービスの提供開始を予定している。