IDC Japanは4月24日、国内ハイブリッドクラウドインフラストラクチャの利用動向に関する調査結果を発表した。同調査では、ハイブリッドクラウドを「複数のクラウドサービスやプライベートクラウドなどを連携し、統合的に運用管理すること」と定義している。

ハイブリッドクラウドの構築で重視する項目としては、「ITインフラコストの最適化」「セキュリティの強化」「運用管理コストの最適化」「統合的な運用管理の実現」が上位となった。

ハイブリッドクラウド構築では、セキュリティの強化に加えて、運用管理も含めたITインフラコストの最適化が重視されている結果となり、次いで「ビジネスニーズへの迅速な対応」となっており、特に大企業や中堅企業で高い回答率となった。

デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応などを背景に、ビジネス機会を拡大するためにITリソースを迅速に提供できることが重視されていると言えるという。

  • ハイブリッドクラウドの構築で重視する項目 資料:IDC Japan

今後利用を増やすITインフラでは、「パブリッククラウドサービス」「プライベートクラウドサービス」「オンプレミスプライベートクラウド」が上位を占めており、パブリッククラウドサービスの利用意向は高い状況だという。

ワークロード別に見ると「ERM(Enterprise Resource Management)」「データベース」「電子メール/グループウェア」「ファイルサーバー」ではパブリッククラウドサービスに移行できると回答した割合が比較的高かったものの、これらのワークロードについて今後のITインフラの利用意向を尋ねると、パブリッククラウドサービスに移行するとした回答はそれほど高くなく、必ずしも円滑に移行が進むわけではないとみられる。

一方、パブリッククラウドサービスを利用中の回答者のうち、今後パブリッククラウドサービスからオンプレミスITインフラに移行する予定がある回答者は8割弱となった。オンプレミスITインフラの利用を増やす条件としては「セキュリティの向上」「容易な導入」「PaaS(Platform as a Service)機能の統合提供」「運用管理負担の軽減」などが挙がっている。