組込みシステム技術協会(JASA)は4月24日、2019年11月20日から22日にかけてパシフィコ横浜にて開催するエッジテクノロジー総合展「Embedded Technology 2019 / IoT Technology 2019(ET/IoT Technology 2019)」に関する開催概要を発表し、従来の技術視点にマーケット視点を加え、重要となってくるテーマを追求していくことを明らかにした。
JASAでは、2019年のマーケットのキーワードは「エッジテクノロジー(Edge Technology)」としており、そうした変化する市場の動向に併せ、「ET(Embedded Technology)×ET(Edge Technology)」として、スマートな社会を実現するエッジテクノロジーを有する企業などを中心に、参加を呼び掛けていくとする。ET×ETという方針そのものは、前回のET 2018/ IoT 2018から掲げていたが、エッジをメインとした出展者はそれほど多くなかったほか、基調講演と展示会の連動性が低かったという反省点から、今回はエッジテクノロジーの認知向上を中心に据えた構成にしていくとする。
具体的には、主催者として出展各社のブースでエッジをメインとして強調した出展になすように支援を行っていくとするほか、主催者パビリオンのエリアを拡大し、そこに来てもらえれば、エッジの最新動向が把握できるような仕組みづくりを目指すという。「主催者パビリオンとして、エッジの要素技術を活用した将来の全体的な姿、応用性の紹介をしたいと思っており、それを見た人が各社のブースを見に行って、より深く納得してもらう」というような流れを考えているという。
そうした取り組みとしては、基調講演や特別講演との連携強化も同時に行っていくとしており、来場者にはまず基調講演を聞いてもらい、そこから主催者パビリオンを見て、出展者ブースを回ってもらうことで、今の技術トレンドを理解してもらえるような工夫などを施していくとする。
こうした取り組みは、毎年行ってきたET/IoT Technologyアワードでも行っていきたいとしており、今回からは来場者が評価できる形の何らかの仕組みを取り入れていきたいともしている。
また、マーケット視点という観点としては、展示会のテーマとして、従来のエッジに関する技術(AI、セキュリティ、ブロックチェーン)に加えて、そうした技術が活用されるアプリケーションレイヤとして「モビリティ」「ロボティクス」「エネルギー」を掲げており、これらに5Gを組み合わせた形で、エッジがもたらす社会、暮らしが体験できる展示会を目指すとしている。
このほか、新たな試みとして、出展企業各社の人材確保に向けて学生対象の展示会場ツアーなどを実施することが予定されているという。
JASAでは、「今年のピックアップテーマのもとに、人材の獲得まで含め、業界全体のプラスになる展示会という姿を目指す」としており、単なる技術披露の場からの脱却を目指すことを強調している。
なお、今年の開催規模についてJASAでは出展410社・団体、820小間を予定しているとのことで、3日間で2万8000名以上の来場者を見込んでいる。