日本気象協会 防災ソリューション事業部先進事業課 商品需要予測プロジェクト担当のサービスプランナー 齋藤佳奈子氏

日本気象協会は4月23日、小売業向けの商品需要予測サービス「売りドキ!予報」の関東版を提供開始すると発表した。

同サービスは、同協会が気象条件に伴い予測した商品需要のレベルに基づいて設定した7ランクの指数情報と気象情報、MD(販促)カレンダーを提供するもの。同協会は、AIなどを用いて高精度の気象予測データとPOSデータなどのビッグデータを解析し、未来に必要なものを予測する「商品需要予測」サービスを提供しているが、大手の製造業や小売業が主な顧客であり、価格も数百万円からとなっている。

今回、中小規模以下の小売事業者においても同様のサービスが必要であるとして、料金が高い従来の個別コンサルティングサービスではなく、料金を抑えることができるパッケージ型のサービスを提供することにした。

防災ソリューション事業部先進事業課 商品需要予測プロジェクト担当のサービスプランナーの齋藤佳奈子氏は、気象条件のうち、天気は来店客数に、商品別の需要に影響を及ぼすことから、天気予報と需要予測指数を瞬時に把握可能なサービスを開発したと説明した。

「売りドキ!予報」では、True Dataの統計化したPOSデータと体感気温、降水効果、季節補正などを加味して解析を行い、需要予測指数を出している。Twitterを分析することで気温感応度を指標にした「体感気温」を独自に開発し、体感指数として体感に沿った暑さや寒さを提示する。「同じ25度でも、7月上旬と8月下旬では感じ方が違う。実際の気温よりも、人がどう感じるかが大切」と、齋藤氏は体感気温の意義を説明した。

  • 「売りドキ!予報」の指数

具体的には、惣菜、青果、精肉、鮮魚、日配、グローサリー※、日用品の分野に含まれる数百カテゴリーについて、当日と週間の需要予測を7ランクの指数で予測する。

また、当日の天気予報、1週間先の天気予報を需要予測指数と同じ画面で表示し、気温予測傾向は1カ月先まで確認できる。さらに、雨、強風、雪などの通知機能により、店舗営業中の急な気象条件の変化にも対応できる。

そのほか、MDカレンダーでは、クレオの「生活行動カレンダー」のカレンダーおよび生活行動情報に1カ月間の暦・記念日・生活行動を表示している。気象条件に伴う売上傾向を予測した指数情報の補完情報として、参考にできる。

  • 「売りドキ!予報」の画面

「売りドキ!予報」は利用可能なカテゴリーが異なる2つのプランが用意されている。約120種類のカテゴリ「小」(例:柑橘類、揚げ物、石鹸類など)の需要予測を提供する「ライト」プランは、1店舗当たりの月額料金が5万円。カテゴリ「小」に加えて約550種類のカテゴリ「細」(例:みかん、オレンジ、唐揚げ、コロッケ、化粧石鹸、ハンドソープなど)の需要予測を提供する「スタンダード」プランは1店舗当たりの月額料金が7万円。

  • 「売りドキ!予報」のプラン

今回、販売が開始されるのは関東版で、顧客にアンケートにより改善要望のヒアリングを実施し、要望の多いところから改良を行い、今夏に全国版をリリースする予定。