ロームとパナソニックは4月23日、パナソニックの連結子会社で半導体事業を展開するパナソニック セミコンダクターソリューションズ(PSCS)のディスクリート半導体事業のうち、ダイオードおよびトランジスタ事業の一部をロームが譲り受けることで最終合意に達したことを発表した。
PSCSは現在、イメージセンサなどの空間認識技術とバッテリーマネジメントICやリチウムイオン電池保護回路用MOSFETなどの電池応用技術を注力分野と位置づけ、そうした事業分野にリソースを集中させることで事業成長を目指しており、リソースが手薄となる小信号トランジスタやダイオードの事業の方向性を探っていた。一方、ロームは小信号トランジスタやダイオードといったディスクリート市場で高いシェアを有しており、製品ラインアップの強化や品質向上などの取り組みを継続して進めてきたこともあり、今回、両社の思惑が合致。PSCSより当該事業の譲渡に関する契約に至ったという。
同合意により、ロームはPSCSのバイポーラ、抵抗内蔵型、接合型電界効果を中心とするトランジスタ事業、ならびにショットキーバリア(SBD)、TVS、ツェナー、スイッチング、ファストリカバリ(FRD)を中心とする小信号トランジスタ事業を譲り受けることとなる。また、PSCSは、ロームが当該事業の生産体制構築までの一定期間、ロームより当該製品の生産を受託することで、従来と同じ供給体制を継続していくとする。
なお、譲渡の具体的なスケジュールについては、関係当局の必要な承認の取得を条件として、2019年10月末の完了を予定しているという。