NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は4月18日、マイクロソフトのクラウド型グループウェア「Office 365」の主要サービスのデータバックアップとメールサービスの移行をサポートするサービス「クラウドバックアップ」を提供すると発表した。
同サービスは、米国SkyKickが提供しているOffice 365のバックアップサービスとメールの移行サポートサービスをパッケージしたもので、NTT Comが提供する「Office 365」の追加メニューとして提供される。
バックアップサービスでは、「Exchange Online」のメールデータや予定表、連絡先情報だけでなく、ストレージサービス「SharePoint Online」「OneDrive for Business」、統合コミュニケーションツール「Microsoft Teams」に保存しているファイルすべてが対象。
バックアップサービスは利用を開始すると、自動で開始される。ユーザーが追加された際は自動的にアカウントを検出してバックアップを開始するなど、手間がかからない仕様になっている。
専用のポータルサイトで対象のメールやファイル、フォルダ、アカウントなど、復元したい単位に応じたデータを検索し、ワンクリックで元の場所へ復元することが可能。
新規でOffice 365を導入する顧客に対し、メールの「移行サポートパック」がセットされたプランも提供する。「移行サポートパック」では、リモートで「メール移行要件のヒアリング」「移行設計」「専用移行ツール設定」「移行状況のモニタリング」などのサポートを行うほか、移行先となる「Office 365」の初期設定サポート、管理者および利用者向けのトレーニングなどを行う。
NTTコミュニケーションズ 取締役アプリケーション&コンテンツサービス部長の工藤潤一氏は、今回の協業に対する期待として、中堅・中小企業が抱えるクラウド移行における導入・移行やセキュリティに対する不安の解消を挙げた。
中堅・中小企業はOffice 365に関心がある一方、社内のIT人材が豊富ではないため、初期設定やデータ移行などに不安を抱えており、導入に踏み切れないという実情があるという。
加えて工藤氏は、同社と日本マイクロソフトのパートナーシップに、SkyKickのサービスを加えたソリューションによって、日本企業のクラウド移行を拡大していきたいと述べた。
SkyKickの共同経営責任者であるEvan Richman氏は、中堅・中小企業がクラウドに移行するにあたっては、「カスタマーエクスピリエンス」「早くて簡単」「価格」の3点が重要だと語った。
カスタマーエクスピリエンスとは、中堅・中小企業において、従来のやり方を変えることなく、かつ安全にクラウドへ移行することが重要視されるという。価格については、リーズナブルな料金で、中堅・中小企業にとって必要なバックアップ機能をすべて提供することが求められる。
Richman氏は「われわれは世界の国々で、バックアップサービスを導入してきたので、中堅・中小企業がクラウドに移行するためのノウハウを持っている。それを提供していきたい」と語った。
日本マイクロソフト 執行役員常務 パートナー事業本部長の高橋美波氏は、同社が2020年に向けてモダンワークを推進しており、Windows 10とOffice 365 ProPlusによって「モダンデバイスエクスピリエンス」を提供し、Microsoft Teamsによってコラボレーションを変えていくことが重要だと説明した。
また高橋氏は、「クラウドバックアップ」の提供により、中堅・中小企業のニーズへの対応を強化すること、クラウド移行による最新環境の提供、働き方改革の促進を期待したいと述べた。
「クラウドバックアップ」の料金は選択するメニューによって異なるが、「Office 365」の各サービスのバックアップを行い、移行サポートを付ける場合、「Office 365 Business Essentials」(3ライセンス)とクラウドバックアップ・移行サポートパック(Suite)の合計料金が初期費用として31万円からとなり、1ID当たりの月額料金は960円。