損害保険ジャパン日本興亜とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は4月17日、5月から損保ジャパン日本興亜の保険金サービス拠点(事故受付から保険金の支払いまでの対応を行うサービス拠点)における電話応対を、NTTグループのAI関連技術「corevo(コレボ)」を活用して分析し、すべての社員による高品質な電話応対を可能にする電話応対ガイドAIの開発を開始すると発表した。

  • 電話応対ガイドAIのイメージ

    電話応対ガイドAIのイメージ

損保ジャパン日本興亜は、2018年3月に全国約300カ所(約1万席)の保険金サービス拠点に「音声認識システム」を導入している。これにより、電話応対内容を記録した音声・テキストに関するビッグデータの蓄積と分析が可能となり、データを顧客の応対品質の向上に活用することを検討してきた。

今回、電話応対ガイドAI開発では「高品質な電話応対の可視化」「電話応対分析AIの開発」「電話応対ガイドAIの開発」の3つステップを予定している。

ステップ1の高品質な電話応対の可視化では5月に損保ジャパン日本興亜が認定する電話応対品質が高く、顧客の評価も高い社員を「クレドマイスター」の音声データ・テキストデータを分析し、これまで暗黙知のため共有が難しかった高品質な電話応対の特徴を可視化する。

次いで、ステップ2の電話応対分析AIの開発は、2019年度内にステップ1で可視化された特徴を活用し、顧客が「電話応対のどの部分に満足したのかを推定するAI」を開発し、顧客満足度を左右するキーファクターが何かを把握するという。

そして、ステップ3の電話応対ガイドAIの開発では、2020年以降に高品質な電話応対の特徴と顧客満足度を左右するキーファクターをベースに、電話応対中の顧客が「ご満足いただいているのか」「ご不満を持たれているのか」などの感情を分析し、次にどのような言葉をかければよいのかなど、その場面に応じた最適な応対をリアルタイムでガイドするAIの開発を行う。

  • 3つのステップの概要

    3つのステップの概要

期待する効果としては電話応対ガイドAIに沿った応対により、顧客満足度を向上させるほか、AI開発の過程で得られた高品質な電話応対の特徴や新たな知見をもとに、高品質な電話応対を実践する社員の育成に活かす考えだ。