科学技術振興機構(JST、濵口道成理事長)が、未来に貢献する若手の女性研究者に贈る「輝く女性研究者賞」(ジュン アシダ賞)を創設し、6月末日を期限として自薦、他薦の応募を呼びかけている。JSTはまた科学技術イノベーションを用いた優れた取り組みを表彰する「STI for SDGs」アワードも創設し、6月から8月末日までの予定で応募を受け付ける。

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    「STI for SDGs」アワード シンポジウムの様子

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    「輝く女性研究者賞」のチラシの一部(提供・JST経営企画部ダイバーシティ推進室)

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    SDGsのロゴ(国連広報センター提供)

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    科学技術振興機構(JST)と日本学術会議などが主催して2017年5月25日に東京都内で開かれた「ジェンダーサミット10」の開会セッション

JSTはダイバーシティ推進事業の一環として女性研究者の活躍を推進する取り組みを行っている。今回、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究などを行っている女性研究者を対象とする「輝く女性研究者賞」と、女性研究者の活躍を推進している機関を表彰する「輝く女性研究者活躍推進賞」制度を創設することを決めた。

「輝く女性研究者賞」の対象は原則40歳未満だが、出産などのライフイベントなどによる研究活動休止期間を勘案するという。研究分野は科学技術に関連していれば不問。著名なファッションデザイナーだった故芦田淳氏が1994年に青少年教育を目的として設立した「芦田基金」から副賞100万円が贈られる。「輝く女性研究者活躍推進賞」は女性研究者の活躍推進に貢献し、他の機関のモデルになる取り組みを行っている機関が対象。

募集期間は4月1日から6月30日までで、授賞者、授賞機関は選考委員会が選定し、10月上旬に発表、11月16~17日に東京都江東区のテレコムセンターで開催予定の「サイエンスアゴラ2019」で表彰式が行われる予定だ。選考委員会は鳥居敬子・米ワシントン大学卓越教授が委員長で、室伏きみ子・お茶の水女子大学学長、村山斉・米カリフォルニア大学バークレー校教授ら7人で構成される。

「STI for SDGs」アワードは、JSTによると、STI(Science, Technology and Innovation)で地域課題を解決する取り組みを表彰し、その取り組み内容を発信、共有することで同じような社会課題を抱える地域への水平展開を促し、他地域での社会解題の解決、国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』の達成への貢献を目指して創設した。アワードは、文部科学大臣賞(申請予定、1件)、科学技術振興機構理事長賞(1件)、次世代賞(3件)、優秀賞(3件程度)を予定している。

JSTはこのアワード創設を記念したシンポジウムを16日午後、東京都千代田区の「富士ソフトアキバプラザ」で開催。「SDGs実現へ向けたSTIと地方創生」と題した基調講演や「科学技術を用いた社会解題の解決、そして地方創生へ」と題した事例紹介・パネルディスカッションなどが行われた。

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