三菱重工業(MHI)は4月16日、同社グループの三菱重工工作機械がレーザー金属積層造形技術を用いた金属3Dプリンタとして、パウダDED方式3次元金属積層造形機「LAMDA200」を製品化したことを発表した。

同3Dプリンタは、三菱重工工作機械が培ってきたレーザー技術と位置決め制御技術を活用して新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトとして開発が進めてきたもの。2017年10月にプロトタイプ機の開発が完了し、今回、小型部品の試作造形に特化したエントリーモデルの販売にこぎつけたという。

金属粉末材料をピンポイントで連続的にレーザー溶融点にノズル供給する独自のデポジション方式を採用することで、一般的なパウダーベッド方式に比べて10倍以上の高速化が可能となるほか、金属粉末の無駄の抑制や、大型部品の造形が可能といった特徴も有したという。

なお、すでに初号機が滋賀県工業技術総合センターが2019年4月に開設した「高度モノづくり試作開発センター」に導入されており、今後、同センターと連携を進めながら、ものづくり業界における認知度の向上や新たな用途開拓を進めていくとしている。

また、今後の普及段階では積層造形した金属材料の品質維持・管理が課題になるともしており、現在、造形状態を自動で監視・安定化させるモニタリングフィードバック機能、航空・宇宙分野などで使用されるチタン合金などの造形に必要なシールド機能の開発にも取り組んでいるとしており、すでにそれらの実用化にもめどをつけているとしている。

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    パウダDED方式3次元金属積層造形機「LAMDA200」