Wineチームは4月12日(米国時間)、「WineHQ - Wine Announcement - The Wine development release 4.6 is now available.」において、Wineの最新開発版リリースバージョンとなる「Wine 4.6」の公開を伝えた。今回のバージョンでは、WineD3DのVulkanバックエンドの取り組みが進められている点が注目される。
Wine 4.6における主な注目ポイントは次のとおり。
- WineD3D向けのVulkanバックエンドの実装を開始
- 共有ロケーションからMonoライブラリを読むこむ機能を追加
- WindowsでWine DLLを使用する場合にLibwine.dllが不要になるように変更
- Split Button Common Controlのサポートを追加
- Video4Linuxバージョン2に対してビデオキャプチャを移植
- デバッグエンジンDLLの初期バージョン導入
WineD3D向けにVulkanバックエンドの開発が始まったことは、将来のリリースでWineD3DでVulkanバックエンドが利用できるようになる可能性があることを示している。現在Wineは一旦OpenGLに変換してからレンダリングを実施しているが、直接Vulkanが利用できるようになるとレンダリング性能が大幅に向上する可能性がある。
WineはLinuxやmacOS、*BSDといったプラットフォームでWindowsアプリケーションを実行するためのレイヤ技術。Windows APIをリアルタイムにPOSIX系の処理に変換することで処理しており、仮想化技術を比較して処理が高速になりやすいと言われている。