東京メトログループは2019年度から2021年度までの3カ年中期経営計画「東京メトロプラン2021」を策定し、これを先月発表しているが「安心の提供」「持続的な成長の実現」「東京の魅力・活力の共創」の3つをキーワードとした経営基盤の強化を掲げている。代表取締役社長である山村明義氏は、中期経営計画の策定にあたり、グループ理念である"東京を走らせる力"の実現と東京2020の円滑な実現への決意を述べている。
同社は4月11日に、スペースマーケット社との資本業務提携を発表した。直接出資の形は同社初となる。スペースマーケット社は、"貸し会議室から球場まで"を掲げ、全国1万以上のレンタルスペース情報を掲載するサービス「スペースマーケット」を展開するスタートアップ企業。サービスでは、すべてのスペースを1時間単位で貸し借りでき、スマートフォンアプリやWebで簡単に"空間"のシェアが行える。
東京メトロは、資本業務提携の第一弾施策として綾瀬駅から徒歩2分の千代田線高架下にシェアリングスペース「むすべやメトロ綾瀬」(東京都足立区綾瀬四丁目6番6付近/運営会社:ハウスプラザ)を11日にオープン。室内は鉄道車両部品をリサイクルしたオシャレな空間で、テーブルや椅子、ホワイトボードやモニターなど会議に必要な設備に加え、3口ガスコンロ、オーブンレンジ、ケトル、ホットプレート、IH鍋やフライパン包丁、まな板、トング、ヘラ、おたま、泡立て器、ざる、ボウルと調理器具充実している。オープニング価格(5月末まで)で平日は1,500円/時間、土日祝日は2,280円。長い会議の合間に、調理で腹ごしらえという使い方も可能だ。
東京メトロ初の直接投資について同社は、"賃貸""売買"に続く不動産利活用の第三の選択肢としての"時間貸し"への注目に言及している。東京メトロの保有スペースをシェアリングで有効活用し、沿線地域と連携した"にぎわい"を創出していくとのことだ。