シスコシステムズは4月11日、中小企業市場に向けた新規事業として、従業員数25名以下の小規模な事業者をターゲットにした無線LANアクセスポイント(AP)「Meraki Go」シリーズを、5月から販売すると発表した。
「Meraki Go」は昨年9月から北米では販売開始されており、屋内型アクセスポイント「Cisco Meraki Go GR-10」と屋外型アクセスポイント「Cisco Meraki Go GR-60」で構成される。
5月からAmazonで販売され、価格(税別)は、屋内型のGR-10が2万円台(1年間のサブスクリプション付)~、屋外型のGR-60が3万円台(1年間のサブスクリプション付)~。自分で設定を行いたい人向けのセルフモデルのシリーズで、専用のモバイルアプリ「Cisco Meraki Go Mobile App」により、スマートフォンでネットワーク管理が可能。
社員用と来客用など、1台で複数のSSIDを立てることができ(最大4つ)、それそれでセキュリティなどの設定が行える。また、PCやスマートフォンごと、アプリごとに利用可能帯域を指定できる。
米シスコシステムズ シニア バイス プレジデント チーフ オブ オペレーションズ アーヴィン・タン(Irving Tan)氏は、「Meraki Go」について、「高い技術がなくても利用できる簡素なものを提供する。セキュリティも標準で導入されており、クラウド化により複雑なオンプレミスのしくみは必要ない。ITに気を配らなくてもいい環境を提供できる」とアピールした。
同社は、2015年9月から日本発のブランド「Cisco Start」シリーズを立ち上げ、中堅・中小企業市場を強化してきた。Cisco Startの販売は堅調で、この3年で3倍になったという。
シスコシステムズ 代表執行役員社長 デイヴ・ウェスト氏は、「Cisco Startのすばらしい成功を確認している。Cisco Starはエンタープライズのポートフォリオを中小企業に使っていただいており、ローカル化(日本語化)もしている。今後は、さらにイノベーションを進め、もっとシンプルでセキュアなものを提供していかなければならない。そのために、新しいセールス組織をつくった」と語り、 SMB・デジタル事業部を創設したことを明らかにした。
そのトップに就任したシスコシステムズ 執行役員 SMB・デジタル事業開発担当 鎌田道子氏は「Cisco Starの販売を通して、100%ネットワークをアウトソースする企業だけではなく、自分で構築したいという需要があることわかった」と、「Meraki Go」を提供する背景を説明した。
「Meraki Go」のターゲットは小規模事業者、小売店、カフェやレストラン、ホテルなどのホスタリティ業界。コンシューマ向けの無線APだと同時接続数が問題になるが、30-40であれば問題なく利用できるという。
スタート時はAmazonでの販売のみだが、今後は需要を見ながら、販売チャネルを増やしていくという。
鎌田氏は中小企業、小規模事業者向けの拡販に向け、ポートフォリオの拡充、パートナー支援の強化、営業組織の強化(SMB、デジタル事業開発の立ち上げ)、デジタルマーケティングの強化、ブランドの強化を行うとした。
「Cisco Webex」の新たな料金プラン
同社は、「Meraki Go」シリーズに販売開始に合わせ、「Cisco Webex」シリーズに Starter、Plus、Businessという低価格プランを追加した。Starterであれば、月額1700円(1ホストあたり)で利用できる。また、30日間の無料トライアルを開始し、無料トライアル後も3名までの会議であれば継続して利用できるという。