Google Cloudは4月9日 (米国時間)、米サンフランシスコで開催中の「Google Cloud Next '19」(4月9日~11日)において、オープンソースソフトウェアベンダー7社とデータ管理/アナリティクス分野での戦略的提携を発表した。
提携したのは、Confluent、DataStax、Elastic、InfluxData、MongoDB、Neo4j、Redis Labs。Googleはこれらが提供するマネージドサービスをGoogle Cloud Platform (GCP)に統合する。ユーザーはGoogle Cloudのコンソールからオープンソースソフトウェアベンダのサービスを導入・管理できるようになり、料金請求もGoogle Cloudのサービスとまとめられる。1つのユーザーインターフェイス、共通の顧客体験とサービスで、オープンソースソフトウェアベンダーのサービスも利用できるようになる
オープンソースのデータベース市場は急成長しており、SearchDataManagement.comによると企業ユーザーによって開発される新しいアプリケーションの70%以上がオープンソースのデータベース管理システムで動作する。Google Cloudとオープンソースソフトウェアベンダー7社の提携は、オープンソース技術を簡単に、クラウドネイティブな方法で使いたいという顧客の要望に応えるものになる。
それ以上に重要なのは、サービスをマネタイズするオプションをオープンソースソフトウェアベンダーにもたらすことだ。背景には、オープンソースソフトウェアのクラウドサービス化を巡るオープンソースソフトウェアベンダーとクラウド大手との対立がある。「近年オープンソースコミュニティにおいて、クラウドプロバイダーが協力関係を築かず、オープンソースからマネタイズできる可能性を奪っている問題が指摘されています」とGoogle Cloud CEOのThomas Kurian氏。
オープンソースプロジェクト、特に市場規模が大きく、今も成長しているデータベース管理/データサービスにおいて、価値が認められたプロジェクトの実を大手クラウドベンダーが収穫するだけで、コミュニティに十分に貢献していないという不満の声が上がっている。フリーライド対策として商用利用の制限を厳しくするようにライセンスを見直したり、オープンソース化を避けてクローズドな開発を選択するケースが増えている。
Google Cloudの取り組みは、そうしたマイナス循環の流れを変えるものになり得る。基調講演には、大手クラウドベンダーに不満を表明していたベンダーの1つであるRedis LabsのOfer Bengal氏 (CEO)が登場。「オープンソースのマネタイズはオープンソースベンダーにとって大きなチャンレンジであり続けました。クラウド時代になってなおさらです。そうした中でオープンソースに取り組むクラウドベンダーとしてGoogleは異なるアプローチをとりました。これはオープンソースベンダーにとって大きなニュースです」と、Googleとのパートナーシップを歓迎した。