国際科学技術財団(小宮山宏理事長)は8日、2019年の日本国際賞の授賞式を東京都千代田区の国立劇場で開催し、岡本佳男名古屋大特別教授(78)とラタン・ラル米オハイオ州立大特別栄誉教授(74)に同賞を贈った。授賞式には天皇、皇后両陛下も出席された。4月末に退位される天皇陛下にとって今回が最後の同賞授賞式出席となった。2博士にはそれぞれ賞状、賞牌のほか賞金5,000万円が贈られた。
日本国際賞は、科学技術を通じて社会に貢献した科学者に贈られ、世界的に知られる。今年は35回目。授賞式式典には両陛下のほか、大島理森衆議院議長ら各界の代表を含めた約1000人が出席。大島議長らの祝辞に続いて岡本、ラル両博士が受賞の喜びを語った。
今回同賞を受賞した岡本博士の授賞理由は「らせん高分子の精密合成と医薬品等の実用的光学分割材料の開発への先駆的貢献」。この研究成果はその後医薬品の開発などに広く使われている。またラル博士の授賞理由は「食糧安全保障強化と気候変動緩和のための持続的土壌管理手法の確立」。気候変動防止のための二酸化炭素排出量抑制が極めて重要な課題になっている中で、食糧の増産と地球環境の保護という両立しにくい事柄に解決の道を開いたとして国際的に広く評価されている。
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