筆者が代表理事を務めるPythonエンジニア育成推進協会(PythonED)は、Pythonに関するカンファレンス「PyConAPAC」がフィリピンで開催されるということで、初めて海外のイベントに出展しました。というのも、当協会は海外に対する試験配信を考えているため、PythonEDの存在を海外でも知ってもらうため、ブースを構え、コーヒースポンサーになったのです。
本稿では、日本ではなかなか知ることができない「PyConAPAC」の模様をお届けします。なお、本稿はPythonEDの試験監修である鈴木たかのり氏とPyConAPAC実行委員のMicaela Reyes氏の協力の下、作成しました。
「PyCon APAC」とは?
「PyCon」はPythonに関するカンファレンスで、日本で開催される「PyCon JP」を含め世界中で開催されています。そのうちPyCon APACはアジア太平洋地域を対象としたPyConとして、2010年のシンガポールから始まり、日本、台湾、韓国、マレーシアと各国で開催されてきました。そして、「PyCon APAC 2019」は2月23日・24日と2日間にかけて、初めてフィリピンで開催されました。
PythonEDはSilverスポンサーとして、ブースを出展しました。今回のブース出展の目的は、PythonEDの認定試験を海外で展開することに興味がある企業を探すことだったため、英語のチラシを用意しました。 また、開発者が多いイベントなのでお土産用のステッカーを用意し、マスコットのぬいぐるみ2体とマグカップ2つも持っていきました。 写真は設営した直後のブースの様子です。左が私で右はその時に興味を持って話しかけてくれた現地のPyCon APAC参加者です。
1人で対応を乗り切ったPythonEDのブースは大盛況
PythonEDブースの模様については、鈴木たかのり氏よりコメントをいただきました。
「海外でのブース出展は私にとって初めての経験です。刺激的な体験でしたが、大変だったのも事実です。 まず、思ったよりも参加者のみなさんがブースに興味を持って来てくれました。 そして、英語で「これは何か?」「この試験はどこで受けられるのか?」「英語にする予定はないのか?」「このぬいぐるみはもらえるのか?」と、矢継ぎ早に質問してきます。それらに対し、私は脳みそをフル回転させながら、拙い英語で回答を続けます。 こうしたやり取りが、ブースでのトークの終了後の休憩時間の度に繰り返されるため、脳が疲れました。
ただ、ブース対応をヘトヘトになりながらも頑張ったおかげで、100枚ずつ用意したステッカーとチラシは1日目の夕方には配り切ることができました。 これは私自身とても達成感がありました。
ブース対応は私一人で行ったため、ブースで一生懸命説明している私の写真はありません。PythonEDではコーヒースポンサーもしており、隣にあるコーヒーブースはカンファンレンスを通して常に賑わっていました」
クロージング
ブースで何回も「どうやったらもらえるの?」と聞かれたマスコットのぬいぐるみとマグカップですが、PyCon APACのスタッフの方と相談してクロージングでの参加者プレゼントにしてもらいしました。 以下の写真のテーブルの左にあるのがPythonEDのぬいぐるみとマグカップ、 右にあるのがPyCon APAC Tシャツです。
抽選方式は、会場の席を多次元の配列にして、Pythonのrandomモジュールを用いて任意の席を選択するというものです。 ローテクな感じですが、司会のトーク力もあり盛り上がりました。最終的にPythonEDのぬいぐるみも2人の新たな持ち主にもらわれていきました。 これで帰りのバッグにお土産のスペースもできて、めでたしめでたしです。
最後に、今回のイベントを通して知り合ったPyConAPAC実行委員のMicaela Reyes氏にインタビューをしましたので、海外のPyConに興味がある方は参考にしてください。
--今回、PyCon APACを開催された目的を教えてください--
Micaela氏: フィリピンでPyConを開催したのは2012年のマニラ(ルソン島)でした。その後、2013年に非営利団体としてグループ「PythonPH」を正式発足させ、Python仲間を集めながらフィリピン全土へのPythonの普及に努めてきました。その後、5年がたち「PythonPH」の活動は全土に広がり、多くの仲間にも恵まれました。そして、APAC諸国の人々とも出会うようになり、われわれの文化とおもてなしを共有し、みんなと一緒に過ごせるような会を開催したいと考え、「PyConAPAC」を開催しました。
--素晴らしい思いと志で開催されているのですね。PyCon APACを開催してよかったですか?--
Micaela氏: はい、フィリピン以外のPyCon主宰者、アジア太平洋地域の国々、米国、英国のオープンソース・プロジェクトの主宰者の皆様など、今回もたくさんの素晴らしい人たちに会うことができました。会場ではすべての参加者の方々の心が一体となった素晴らしいイベントを開催することができました。
--イベント開催は本当に素晴らしいことですよね。ちなみに今後の活動計画などありましたら教えてください--
Micaela氏: 「フィリピンでは、多くの人々がPythonを学び、それを利用することに興味を持つようになっています。そこで、以下の施策を実施し、他の技術コミュニティや学術界との交流も深めより多くのムーブメントを作っていきたいと考えています。
-1 Pythonに関するMeetup - Pythonミートアップを継続して開催する -1 PythonPHのリーダーシップを強化する - 育成、充実、そしてPythonPHコアボランティアの強化と継承計画の体系化
--ありがとうございます。Python EDも準備を整え、APACへの本格参入ができるよう準備していきます。またお会いできることを楽しみにしております。--