日本気象協会は1日、フジテレビ(フジテレビジョン)とSpectee(スペクティ)とともに新たな実証実験を開始したことを発表した。

実証実験はフジテレビが渋谷に設置している天気カメラの映像をAI解析するもので、フジテレビの朝の人気番組「めざましテレビ」内のお天気コーナー(6時55分ごろ/実証実験は4月30日まで予定)において"AI天気"としてコート着用率や傘の使用率などを表示させている。

  • AI解析による春物コート着用率の判定イメージ(左)とテレビ番組での放送(右)(日本気象協会資料より)

    AI解析による春物コート着用率の判定イメージ(左)とテレビ番組での放送(右)(日本気象協会資料より)

日本気象協会は、"天気予報の情報を何から、いつ取得するのか"自社サービスのための調査を昨年行っており、テレビから情報を得ている人は起床時のタイミングが5割を超えている結果に言及している。季節外れの寒さや高温の日が多く発生する昨今、出勤や登校前の情報が重要になるため、テレビでのAIの活きた情報提供は効果がありそうだ。

SpecteeのAI開発プラットフォーム「SIGNAL」でフジテレビの渋谷のカメラ映像をリアルタイムに解析、個人が特定できない処理を行い判定を提供している。Specteeは、SNS速報配信サービスを国内外のメディアに提供、AIアナウンサー「荒木ゆい」、AI自動音声認識・文字起しサービス「VoiceClip」などのAI活用サービス開発を行っている。

今後は気象実況データと予測データの組み合わせなど、新たな服装情報の開発等に役立てていくとしている。

  • SpecteeのAI開発プラットフォーム「SIGNAL」の概要(Spectee資料より)

    SpecteeのAI開発プラットフォーム「SIGNAL」の概要(Spectee資料より)