IDC Japanは4月1日、2018年第4四半期(10月~12月)と2018年通年(1月~12月)の国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額(Value)実績を発表した。2018年第4四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額は445億1400万円、前年同期比3.8%増となり、2018年通年では前年比4.3%増の1807億4200万円となった。

  • 国内外付型エンタープライズストレージシステム市場支出額推移、2012年~2018年

    国内外付型エンタープライズストレージシステム市場支出額推移、2012年~2018年

2018年第4四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見るとメインフレーム向けが前年同期比23.7%減の30億円で、オープンシステム向けが同6.6%増の415億1400万円。メインフレーム向けは、9四半期連続のマイナス成長となり、オープンシステム向けはミッドレンジで2桁のプラス成長となり、ローエンドは8四半期ぶりのプラス成長となった。

2018年通年での外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが前年比25.6%減の160億2100万円、オープンシステム向けが同8.5%増の1647億2100万円となり、メインフレーム向けでは前年に相次いだ大型更新案件に匹敵するほどの売り上げが得られなかったという。

オープンシステム向けは、クラウドサービスプロバイダー向け需要が牽引してミッドレンジが2桁のプラス成長となった一方、ローエンドは5年連続のマイナス成長だったが、成長率は前年から改善した。

2018年の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、前年に続きHDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進み、同年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額の中で、オールフラッシュアレイ(AFA)は前年比31.5%増の415億9600万円でとなった。この結果、2018年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるAFAの割合は23.0%となる。

2018年通年での国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は1716億5400万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(シェア17.3%)、日立製作所(17.3%)、Dell Inc.(13.9%)、NetApp(11.1%)、NEC(7.7%)となり、富士通と日立製作所は同率で1位タイとなった。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストの加藤慎也氏は「2018年は、2年続いたマイナス成長から一転、プラス成長となった。国内のクラウドサービスプロバイダーにおける外付型の需要の高まりに加え、ユーザーがコスト低減目的のクラウド移行ではなく、個々のビジネスに即したハイブリッドクラウドによる最適化を進めた結果とみている。そのため、オンプレミスかオフプレミスかを問わない柔軟なデータ配備やバックアップとリストア、運用の最適化、従量的なインフラ利用をユーザーへすぐに提案できることが、インフラを担うベンダーの必要条件になっている」と分析している。