ベネッセは3月27日、「THE 世界大学ランキング」を手がける教育専門誌「Times Higher Education(THE)」を有するTES Globalが、ベネッセグループの協力のもと、同ランキングの日本国内版である「THE 世界大学ランキング 日本版」の第3回目の調査結果となる「THE 世界大学ランキング日本版2019」を公開したことを発表した。
同ランキングは、一般的に注目される合格者の学力によるランキングとは一線を画したもので、大学に入ってからの教育に対する充実度や、卒業した後を含めた評価など、さまざまな視点による評価を実施することで、高等教育をさらに良いものへと進化させ、世界から注目される大学になってもらうことを目指して作成されているもの。過去2回と同様、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野で構成されているが、これまで高校教員の評判調査でランク付けしていた「教育充実度」に今回から学生調査が導入され、学修者本位の視点による教育の質保証という高等教育の課題に対応した。また、「教育充実度」には、学生調査の結果から「教員・学生の交流、協働学習の機会」「授業・指導の充実度」「大学の推奨度」という3つの項目が追加されており、これによりランキング指標全体に占める「教育充実度」の比重が4ポイント上昇したほか、同指標内での高校教員の評判調査の比重が下がるなど、調整が行われたという。
150位までのランキングを見ると、国立が58校(前回62)、公立が23校(同24)、私立が70校(同65)の計151校という内訳となっており、私立の数が増加した。前回まで総合および分野別でもランクインしなかった(またはエントリーされていなかった)大学のうち今回、初めてランクインしたのは92位に入ってきた聖路加国際大学、および141-150位の山口県立大学の2校となっている
また、前年から続いて京都大学(京大)が総合1位となった。同じく前年1位であった東京大学(東大)は2位へと後退。京大は「国際性」のスコアで東大と差をつけたことで単独トップの座を獲得した。このほか9位までの顔触れは以下の通りで、大学自体は前回と同様で順位が変化した形となっている。ただし、10位には国際教養大学が初めてランクイン。同大は「教育充実度」と「国際性」の両分野で前回同様1位を獲得、特に「国際性」については前回の100.0ポイントを維持している。
- 1位 京都大学(前年1位)
- 2位 東京大学(前年同率1位)
- 3位 東北大学(前年3位)
- 4位 九州大学(前年5位)
- 5位 北海道大学(前年6位)
- 5位 名古屋大学(前年7位。北大との同率5位)
- 7位 東京工業大学(前年4位)
- 8位 大阪大学(前年8位)
- 9位 筑波大学(前年9位)
- 10位 国際教養大学(前年12位)
分野別ランキングでは、「教育リソース」では東京大学が前年に続き1位、「教育充実度」では国際教養大学が同じく前年に続き1位、「教育成果」で京都大学が前年の2位からランクを上げ1位に、そして「国際性」で国際教養大学が前年に続き1位にランクインした。