日本電気(NEC)とインドネシアの電子会社であるMedco Power Indonesia(以下、メドコ・パワー)は3月27日、設備の故障を予兆段階で検知するシステムの本格導入を前提とした実証を、4月より開始することを発表した。

この実証は、NECのAI技術群「NEC the WISE」のひとつである「インバリアント分析技術」を用いて行われる。同技術は、電力プラントの他、製造業や石油化学業など大規模・複雑なシステムに設置された多数のセンサーから大量の時系列データを収集・分析し、システムの稼働状況の見える化や予兆段階での異常を検知するもの。

メドコ・パワーでは、インドネシアでの安定的な電力供給に向け各発電所において人手による巡視点検を定期的に行ってきたが、AIなどのデジタル技術を活用したさらなるプラント操業の高度化を目指していたという。

今回の実証では、メドコ・パワーの中核となる発電所において設置されている数千のセンサーから、温度、振動、圧力、ガス流量、発電出力といった様々なデータを収集・分析し、設備の稼働状況の見える化や不具合の予兆検知を可能とするという。

両社は今後、本番導入を目指して検証を進めるとともに、プラント操業の高度化を実現することで社会インフラの安全性向上に貢献するとしている。