理化学研究所(理研)と東北大学は3月20日、日本の科学技術および産業応用に関する技術の向上に重要な役割を果たすことを目的として、連携・協力に関する協定を締結したことを発表した。

同協定は、自然科学の総合研究所である理研と指定国立大学法人でもあり、さまざまな分野で多くの研究成果を出してきた総合研究大学である東北大学が、相互に協力可能なすべての分野において、それぞれの研究、教育・人材育成などの具体的な連携・協力を効果的に実施していくことを定めるもの。これまでは所属の研究室同士や研究センターごとの交流として、AI、数理、量子、放射光といった分野で実績があったが、今回の組織対組織の連携により、枠組みとして新たな分野に向けた研究の道筋を立てたり、といったことも可能となることとなる。

そのため、理研の松本紘 理事長は、「今後は両者で協力して新しいものを作っていきたい」と抱負を語るほか、東北大の大野英男 総長も「理研の次世代型放射光施設が東北大のキャンパスに設置されることが決まっており、そうした取り組みも視野に入れると、さらなる協力を効率的に進めるために、すべての面で協力できるように体制を整備することが不可欠であった」と、今回の連携に至った意義を強調する。

なお、同協定の有効期間は2019年3月20日から2020年3月31日までとなっているが、以後も別段の申し出が無い限り、1年間ごとの更新で継続していく予定だという。

今後、2者は連携ワークショップの開催や、マッチングファンドの活用による共同研究の促進、科学技術ハブ形成などによる周辺地域との戦略的連携構築などの広範な取り組みを協力して行っていく予定だとしている。

  • 東北大と理化学研究所

    基本協定の締結後に握手を交わす東北大の大野総長(左)と理研の松本理事長(右)