ヤマハは19日、オフィスの会議室など聞かれたくない会話を情報マスキング音でカモフラージュすることでプライバシーを守るスピーチプライバシーシステム「VSP-2」を6月から発売することを発表した。
人が密集する職場では会議室での情報がどうしても漏れてしまう場合がある。場合によっては本来、参加者以外には聞かれてはならない情報、パスワードやIDの類いはもちろん、企業の経営に関わる情報などオフィスは情報の塊だ。
国家機密など高度な情報を守る場合には電子機器からの微弱な電磁波を守る電磁波セキュリティの分野も目にするが、そこまでとは言わなくとも、油断しがちな会議室周辺の音には注意しなければならない。
ヤマハが6月に発売するピーチプライバシーシステム「VSP-2」は、アンプとスピーカーのセットで提供され、小規模エリアだけでなく約100平方メートルのレンジもカバー。遮音性能が不足している会議室間や天井下が開いている間仕切り壁など音の伝わる場所に0.17kgのスピーカーを設置。ヤマハ独自の情報マスキング音、環境音や演出音でこれを打ち消す。
もちろんチームコレボレーションの促進にも利用できる。新たに搭載されている比率調整機能では、静かすぎる環境がそぐわないようなシーン、活発な会議を行える最適な音を調整するなども可能だ。
同社ではオープン化やWeb会議の普及に連れ、オフィスでのマスキングニーズの高まりがあること、一方組織横断的なコミュニケーションである「チームコラボレーション」の重要性も高まっていることを挙げており、両方のニーズに応えられる製品であることを示している。なお、価格は本体のVSP-2が178,000円(税別)、スピーカーであるVSP-SP2が28,000円(税別)となる。