スマートフォンの魅力の1つにいろいろなアプリをインストールできることがある。アプリストアに行けば、ゲームから仕事に役立つものまでさまざまなアプリが見つかり、しかも無料で利用できるものも多い。

一般的に、無料できるアプリは試用期間があることから、それを過ぎる前にアンインストールしてしまえば、料金を支払うことなく一定期間使えると考えている人もいるだろう。

しかし、こうした無料アプリに対する"暗黙の了解"を破るアプリが登場したようだ。

このほど、マカフィーの研究者たちは音声録音やZipファイルの解凍・圧縮が可能な無料のAndroidアプリについて、無料の試用期間を過ぎると高額な料金を請求し、アンインストールだけでは課金をキャンセルできないものを発見したという。公式ブログの記事「無料のAndroidアプリの試用期間後に要注意」で紹介されている。

問題のアプリは「Voice recorder free」と「Zip File Reader」の2種類で、合わせて60万回以上ダウンロードされているそうだ。Androidアプリが安全かどうかを判断する際、ダウンロード数を材料の1つにすることがあるが、この数字だけで見れば、まあ悪くないと思ってしまうかもしれない。

しかし、これらアプリをインストールすると、「無料試用版」を使用するか「今すぐ支払う」オプションが提供され、ユーザーが試用版を選択すると、3日間に試用期間が終了した際のクレジットカード情報を入力するための購読ページが表示されるという。試用期間が終了すると、「Voice recorder free」は月額242ドル、「Zip File Reader」は週160ドルという高額な金額が請求される。

  • 「Voice recorder free」と「Zip File Reader」の画面 資料:マカフィー

さらに、これらのアプリをダウンロードして無料試用期間後にアンインストールするだけでは課金がキャンセルされないという。マカフィーはこれらアプリについて、「技術的に違法ではないが、無料のトライアルをキャンセルするのを忘れる可能性がある消費者から簡単に利益を得ようとしており、詐欺的」と指摘している。

マカフィーはこうした詐欺アプリの被害を回避する方法として、「用心深く、アプリのレビューに目を通す」「細かい活字を読む」「アプリを無効にすることを忘れなり」の3つを挙げている。

無料トライアルでアプリをインストールすることにした場合は、サブスクリプションを維持する場合に課金される料金(週単位や月単位)を理解しておく必要がある。説明が小さなフォントで記載された文字だったとしてもきちんと確認しておきたい。