日立製作所は3月15日、IoT向けに運用管理を最適化する「JP1 for IoT」を販売を開始する。価格は「JP1 for IoT - デバイス管理」が月額16万円(税別)~、「同NX UsbMonitor」が55万円(同)~、「同NX NetMonitor」が190万円~、同29日から順次提供開始する。

  • 広域なデジタルサービス事業立ち上げのイメージ

    広域なデジタルサービス事業立ち上げのイメージ

JP1 for IoT - デバイス管理は、IoTデバイスの状態を利用者の目的に合わせて、設置場所やネットワークなどの単位でグループ化し可視化できるため、全体を俯瞰的に捉えることを可能としている。

また、各種IoT向けクラウドサービスなどと連携したID・パスワード設定やソフトウェア更新、廃棄時の設定消去といったセキュリティ対策を一括して実行できるほか、不具合発生時の警告や内蔵電池など消耗部品の残量といった通知を自動的に受け取ることを可能としており、IoTシステムの安定稼働を効率的に実現できるという。

主な適用例としては、工場やビルの設備などのIoTを活用したセキュリティ対策と保守の効率化および、地域の見守りサービスなどIoTを活用した広域なデジタルサービス事業の立ち上げの2点を挙げている。

セキュリティ対策と保守の効率化に関しては、工場やビルなどにおいて生産性、品質向上のために設備をネットワークにつなぎ、各種センサ、監視カメラをはじめとしたIoTデバイスを活用する場合、制御用PC、IoTデバイスを狙ったサイバー攻撃などのリスクが想定される。

JP1 for IoT - デバイス管理により、容易かつ正確に状態をリモートから監視することで、継続的にセキュリティ対策状態や稼動状況を把握し、それらの設定を一括更新が可能なほか、制御用PCの電源オン・オフなどのリモート操作により、現場の管理・保守業務を効率化できるという。

デジタルサービス事業の立ち上げについては、広域に設置するIoTデバイスのセキュリティ対策や効率的なメンテナンスの仕組みが必要となるため、新製品により、地域別や機種別などのグループで全体を把握することに加え、地図上へのマッピングなどが可能となり、リモートでのセキュリティ対策や保守員の配備など効率的なメンテナンス作業を実現するとしている。

なお、JP1 for IoT - NX UsbMonitorとJP1 for IoT - NX NetMonitorは、従来から提供してきた、工場設備などにおけるUSBおよび端末の不正接続を監視するアプライアンス製品となる。

今後、ソラコムのIoTデバイス向けアプリケーションとの連携をさらに強化するとともに、インテルのIoTデバイスの設置プロセスを容易化する技術「インテル セキュア・デバイス・オンボード」や、ぷらっとホームのIoTゲートウェイと連携したセキュアな運用の自動化などについて、技術検証をそれぞれ進めていく方針だ。