ファイア・アイ 代表取締役社長 西村隆行氏

ファイア・アイは3月13日、記者説明会を開催し、2019年度の事業戦略を紹介するとともに、国内で提供を開始する3つのサービスを発表した。

代表取締役社長を務める西村隆行氏は、2018年度について、「グローバルは前年比12%の成長、国内は前年比30%を超える成長を達成した。国内ではサービス部門を新たに設立したことで、サービスの売上が伸びた」と説明した。

企業は「利用しているセキュリティツールが多すぎる」「セキュリティツールが出すアラートが多すぎる」「侵害発生に気づくまで、発生から対応までにかかる時間が長すぎる」といった課題を抱えていることから、統合的なセキュリティ運用に対するニーズが高まっているという。

こうした企業のニーズに応えるため、同社は、セキュリティプラットフォーム「FireEye Helix」上でソリューションとサービスを統合して運用することを推進する。ソリューションは、ネットワーク、メール、エンドポイントに分けて提供しており、サービスとしては、インシデント・レスポンス・サービス「Mandiant」、マネージド検知・対応(MDR)サービス「Managed Defense」を提供している。

  • ファイア・アイのエコシステムと2019年度の注力領域

今回、メール関連のセキュリティ・ソリューションに関しては、第2四半期(4月-6月)より国内の2カ所のデータセンターでCloudエディションの提供を開始することが発表された。2つのデータセンターは地理的に離れた場所に所在しているため、災害発生時などの事業継続性にも有用だという。

サービスに関しては、「Digital Threat Monitoring(デジタル脅威監視)」サービスの提供が開始された。同サービスは、企業・組織の資産をインターネット上でモニタリングし、組織・企業が標的にされたり、ブランドや機密情報が流出したりした場合、早期に警告する。

同サービスにおいては、ファイア・アイの脅威インテリジェンスチームがオープンWeb、ディープWeb、ダークWeb、SNSの調査・分析を行う。

  • 「Digital Threat Monitoring」の概要

加えて、今後、国内で大規模な国際イベントが開催されることから、通常は年間契約にて提供している「Managed Defense」のマネージド検知・対応(Managed Detection and Response:MDR)サービスを必要な時に期間を限定した形で提供する。

西村氏は、「一般的なセキュリティのマネージドサービスでは、アラートを通知するにとどまっているうえ、アラートが多すぎることから脅威のハンティングまで追い付かない。しかし、われわれのMDRは防御から侵入後の対応まで包括的にサポートできる」と述べた。

  • 期間限定での提供も開始される「FireEye Managed Defense」

西村氏は、2019年度の国内ビジネスの成長戦略の柱について、「エンタープライズ市場に対しては、EDR、FireEye Helix、Managed Defenseなどの高度なセキュリティ要件に応えるソリューションを提供する。EDRは今年1月に10万ユーザーの大規模案件が決まった。Managed Defenseは重要インフラ企業、オリンピックに関わる企業に導入していきたい。中堅市場に対しては、市場開拓を活性化するとともに、カバレッジを拡大していく」と説明した。