NTTドコモは3月8日、ドローンを活用してビジネスを展開する企業(パートナー)向けにドローン運用をトータルにサポートするサービス「docomo skyTM(ドコモスカイ)」の提供を開始した。
新サービスは、ドローンとプラットフォームをセルラーネットワークで常時接続することで、複数台の自動飛行、目視外での遠隔操作、機体情報やフライトの管理、撮影画像データなどのセンシングデータをリアルタイムに取得し、管理・分析を行うまでの一連の運用をWEB上で管理可能とすることをコンセプトとしており、今後さまざまな分野のパートナーとともに、新サービスを活用したソリューション事例の開発・提供を順次進めていく。
今回、新サービスを用いたドローン活用のソリューション第1弾として、点検にかかる業務コストの効率化を目的とした「ソーラーパネル点検」を提供する。
ソーラーパネル点検では、赤外線カメラを搭載したドローンでパネル表面を撮影し、得られたデータを分析することで、ホットスポットと呼ばれる異常箇所を検出した上で、レポートを作成するところまでを自動で行うことを可能としている。
これまでは専門知識を有する技術者がパネルを1枚ずつ目視で確認して、故障箇所を特定することが一般的であり、点検にかかる人的コストが課題となっていたが、短時間で効率よく、発電に悪影響を及ぼす要因の発見・対処を可能としている。また、一連の点検業務運用およびデータ管理はダッシュボード機能を活用することで、Web画面上で一元管理できるため、稼働削減を実現するという。
なお、ドコモは2017年から自社の携帯電話無線基地局点検にドローンを活用しており、点検ノウハウと同サービスを組み合わせて「ドローン基地局点検システム」を開発し、2月から自社基地局利用の全国展開を開始している。
新サービスに対応した専用の操縦者向けグランドコントロールステーションアプリケーションにより点検業務を支援するほか、操縦者は簡易な操作により高度や速度を設定し、ドローンの自動飛行、自動撮影、撮影画像のリアルタイム送信ができるという。
また、点検者は新サービスのWEBサイトにログインすると、専用画面から遠隔地の鉄塔の品質保全状況の確認を即時に行うことも可能。これらを活用することで飛行の一部と撮影が自動化され、操縦者の作業負担が解消するとともに、これまで自社基地局点検の課題だった操縦者のスキル平準化が図れるとしている。
今後、機能拡充として、これまで人が目視で確認していた基地局の劣化状況をAIによって判定する機能を開発し、精度向上および最適化に取り組んでいく考えだ。