米国半導体工業会(SIA)は、2019年1月の半導体市場(3か月移動平均値)が、前年同月比5.7%減の355億ドルと、2016年7月以来30か月ぶりのマイナス成長を記録したほか、前月比でも7.2%減のマイナス成長になったと発表した。

SIAが発表する月次販売額は3か月移動平均であるから、 2019年1月度の販売額はプラス成長だった2018年11月分(単月集計)を含んだ3か月の平均値となるが、WSTS(世界半導体市場統計)の単月集計では、すでに2018年12月から前年同月比でマイナス成長(7.7%減)となっていた。WSTSによる2019年1月度の単月集計の数字は未公開だが、やはり2桁%のマイナス成長に陥っているものと思われる。中でもDRAM市場は製品価格が大きく下落しており、また現在も下落が続いていることから、2月以降の市場規模はさらに縮小する見込みである

  • 半導体市場推移

    1996年1月から2019年1月までの半導体市場(単位:百万ドル)と前年同月比の成長率(%)の推移 (出所:WSTS/SIA)

全地域がほぼマイナス成長に - 落ち込みが顕著な米中

地域・国別でみた場合の前年同月比販売額は、欧州が0.2%増加した以外は、米国が同15.3%減、アジア太平洋その他地域が同3.8%減、中国が同3.2%減、日本が同1.5%減と、軒並みマイナス成長に陥った。また前月比では、すべての地域・国でマイナス成長になった。具体的には米国が同13.0%減、中国が同8.5%減、日本が同4.7%減、アジア太平洋その他が同3.6%減、 欧州が同1.5%減であった。貿易摩擦の渦中にある米国および中国の落ち込みが顕著である。

半導体産業は不況に - SIAプレジデントが見解

SIAのプレジデント兼CEOであるJohn Neuffer氏は、1月の統計数値発表に際して「2019年1月の半導体市場は、前月比で、すべての主要製品カテゴリおよびすべての地域で減少した。2019年、世界の半導体市場が不況期に入ったことが明らかになったようだ。しかし、長期的には明るい展望を持っている。コンシューマ製品への半導体搭載率が増加しており、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、IoT、5Gおよび次世代通信ネットワークなどが将来の半導体市場拡大のけん引役となることが期待されているためだ」と述べている。