ヴァイナスは、米Optimal Solutions Softwareが開発を手がける設計者向け最適設計パッケージシステム「SCULPTOR」の最新バージョン「V3.8」の国内リリースを2019年3月1日より開始した。

SCULPTORは、高品質メッシュモーフィング機能と、設計者にも利用可能な高い操作性を実現した最適設計アルゴリズム機能を、各種CAEソルバと結合した最適化形状設計システム。最適化対象設計モデルから作成されたメッシュデータに対して、モーフィングするための制御点を設定し、それら制御点の移動によりメッシュデータをパラメトリックに数値制御して変形させるが、このメッシュデータをそのまま各解析ソルバで検証することで形状最適設計探査を行うことができるようになっている。

  • ヴァイナス

    パラメータスタディ結果から応答曲面を作成。応答曲面上の点を指示し、その形状を表示・確認することが可能

そのため設計者は、Back2CAD機能により得られた最適形状をSTEPやIGESなどの中間フォーマットを介してCADにフィードバックして、最適形状を元に設計業務を行うことができるようになると同社では説明している。

  • ヴァイナス

    航空機の翼形状とエンジカバー形状に対するモーフィング制御点の設定の様子

最新バージョンとなるV3.8では、CADの中間フォーマットを介してCADにフィードバックする機能で使用しているモデルカーネルをACISからOpen CASCADEに変更。これにより、複雑なトリムサーフェイスで構成されるジオメトリの変換出力における品質向上を実現したとするほか、2つの形状の合わせこむShape Matching機能に特化した独自のアルゴリズム(Interactive Deviation Update:IDU)を搭載したことで、従来比で、計算回数を約50分の1に削減することができるようになったという。

また、スクリプトやバッチを利用した自動実行機能を拡張・強化し、設定済みパラメータの数値変更を可能にしたことから、形状最適設計探査を自動で実行可能な専用ライセンスを新たに製品ラインアップに追加したほか、CFDソルバ「Star-CCM+」のメッシュ形式ファイルの新バージョン(V13.06)への対応も図られた。

これらにより、形状最適設計探査に必要な解析実行と解析結果の可視化・検証などの一連の形状最適化作業を、SCULPTORの最適化モジュールであるOCC(Optimization Control Center)により統一されたGUIによる容易な操作で実行することが可能になったと同社では説明しており、今後、国内の自動車・重工業・造船メーカーなどへの販売を進めることで、初年度30ライセンスの販売数を目指すとしている。

なお、販売価格は年間ライセンス料金が250万円(税別)、永久ライセンス料金が625万円(同)となっている。