short300℃の高温に耐えるドローン登場
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ならびにエンルートは3月6日、火災現場に進入し、火元の上空5~10Mの近距離で空撮を可能とする300℃耐火型ドローン「QC730FP」を開発したことを明らかにした。
「消防士の空飛ぶチームメイト」の実現を目指して開発されたもので、300℃の高温環境下においても1分間の連続運用が可能なため、火元に近づいての撮影ができることから、詳細な現場確認用途などへの適用が期待できるという。
また、現場確認時には炎から発生する熱風の中でも自律航行が可能で、光学カメラに加え、オプションとして赤外線カメラを追加で搭載することもでき、それらからのリアルタイム映像を920MHz帯域の無線技術で操縦者に送ることで、状況の把握などの容易化を図ることもできる。
機体としてマグネシウム金属ボディ(ジルコニア塗装)を採用。プロペラ部には、耐火性がありつつも、軽量かつ生産性を損なわない素材として、マグネシウムフレームにジルコニア塗装を施したものを採用したほか、プロペタは耐熱塗装とチタンを採用した。カメラ前面部は、断熱性と透過性を確保できる石英素材を採用することで、熱の影響を低減することに成功した。
これらの技術を採用することで、炎の中を連続して通過する試験でも、機体にダメージを受けないことを確認。消防関係からの火災現場での状況確認のために上空支援や、避難者の確認、侵入・救出ルートの確認などを行いたいというニーズに対応できるようになったとする。
なお、エンルートでは2019年4月より、消防機関などを対象に製品サンプル提供とモニタリングの実施を進め、そうした実地における性能評価のフィードバックを受け、2019年10月から製品受注を開始する予定で、500台の販売を目指すとしている。