オムロン オートモーティブエレクトロニクス(OAE)は3月6日、生体が呼吸する際に発生する胸の動きを電波で捉えることで、自動車内において乗員の存在をより正確に検知する「呼吸時体動検知センサー」を開発したことを発表した。

  • 呼吸時体動検知センサー

    呼吸時体動検知センサー

欧州における自動車の安全性評価機関「Euro-NCAP」は、車内に置き去られた子どもを検知するシステムの搭載有無を、2022年より安全性評価の対象項目とする。そこで、自動車メーカー各社は、車内における子どもやペットの置き去りを検知し、ドライバーや周囲に知らせる置き去り検知システムの開発を進めている。

このセンサーは、従来の超音波式と比べてより微小な体の動きを捉える技術により、熟睡した子どもなど、体の動きが少ない対象を正確に検知できるもの。例えば、同センサーと、ドライバーが運転に集中できるか判断する「ドライバー見守り車載センサー」を組み合わせることで、子どもやペット、意識を失った大人など、自力で車外に出られない対象だけを検知し、必要な場合にのみ警報を発するシステムを構築できるという。

主な仕様は、用途が車内の乗員の存在有無、位置を検知(呼吸による胸の体動検知)、設置場所は天井、検知可能距離は〜2m(目標値)、停車中の検知精度は呼吸数±2bpm(目標値)。本体サイズはW50×D50×H20mm(目標値)、消費電力は平均0.5W(目標値)。

OAEは、2019年秋に自動車メーカー各社へ「呼吸時体動検知センサー」のサンプル提供を開始し、2021年末の量産化を目指すとしている。

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