ヤマハは3月4日、同社が開発し、国内外約260社団体とその共通規格化・普及に取り組む、音をICT化するプラットフォームおよびテクノロジー「SoundUD」(Sound Universal Design:音のユニバーサルデザイン)が国際ユニヴァーサルデザイン協議会主催の「第7回国際ユニヴァーサルデザイン会議2019 in バンコク」(「UD2019」)にて採用され、SoundUD対応のスマートフォンアプリ「おもてなしガイド」による多言語同時通訳サービスを提供すると発表した。
UD2019は「ユニヴァーサルデザインによる持続可能な発展」を会議テーマとし、産業振興や地域振興、高齢社会、観光の各分野に関する公開シンポジウム、展示会、公開セミナー/ワークショップなどが、タイ・バンコクのモンクット王工科大学ラートクラバン校を開催場所として行われる国際会議。
おもてなしガイドは、SoundUD化された空間の対応音声をマイクで拾うことで、内容を多言語の文字で表示することができるスマートフォン向けアプリケーションとなり、会話翻訳などを目的とした一般の翻訳機では対応できない、街中のアナウンスや展示物のガイダンス、ショーや各種コンテンツなどの音声内容を言語のわからない外国人や音を聞き取りづらい高齢者、聴覚障がい者に効果的に伝達できる仕組みとして評価され、2015年5月の「ミラノ国際博覧会 日本館」での公式採用を皮切りに多方面で活用が進んでいるという。
現在では「音のユニバーサルデザイン化」を推進できる有用な手段として、全国の鉄道会社や自治体、メーカーなどの協力も得て、その普及に努めており、昨年7月からはアナウンサーをはじめとした話者が話す内容をリアルタイムに翻訳、文字化して届ける機能を追加し、全国のテレビ局やラジオ局とも普及に取り組んでいる。
UD2019では「音声認識」と「多言語機械翻訳」を駆使した新機能「多言語同時通訳ガイド」を使用して、会議中の音声を13言語の文字にして送信し、「おもてなしガイド」を通じて即座に聴講者のスマートフォンに提供する。SoundUDおよび、おもてなしガイド、多言語同時通訳ガイドの国際会議での採用は今回が初の事例になるという。