インテックは3月4日、多摩市とUiPathと共同でインテックが独自開発した項目認識AIを用いたOCRとRPAの組み合わせによる業務自動化の実証実験を開始した。実証期間は3月~7月まで、対象業務は住民税関連業務(課税課)、児童手当関連業務(子育て支援課)、保育園入所申請書入力業務(子育て支援課)となる。
多摩市では、特定の時期に作業量が膨大に増える業務があり、長時間勤務の一因となっており、最新のICT技術の活用により、定型業務を自動化する仕組みの導入に向けて、実証実験を行うことにした。業務の効率化や正確性の向上を図り、職員の時間外勤務の削減や市民サービスの向上等につなげる「働き方改革」の取り組みとして、今後本格導入を目指す。
一方、インテックは実証実験で自治体業務における最新技術の検証と成果報告を行うほか、今回獲得したノウハウを活用し、今後も他の市町村にRPAの導入を展開していく予定だ。
活用する技術は、項目認識AIを用いたOCRとRPAの2つ。OCRは、非定型様式の帳票の印字を読み取り、指定の項目と値をAIを用いて紐づけし、デジタル化する技術。
すでに定型様式のOCR技術は普及段階にあるが、この項目認識AIを用いて非定型様式にも対応することで、応用範囲が広がり、単なるOCRとRPAの適用に比べ、業務効率化の成果を出すことができるという。項目認識AIはインテックで研究開発中の項目選定に関する独自エンジンであり、印刷文字・不定形書式文書の読み取りを可能としている。
RPAは人手を使って操作している定型的なシステムの操作やデータの入力処理などを識別し、人間と同じように操作を行うソフトウェアであり、一般のプログラム言語でITシステムを構築するのではなく、事前に設定された実行手順に従って動作する。