The Linux Foundationは、Uberが開始したPyroが傘下のLF Deep Learning Foundation(LF DL)のインキュベーションプロジェクトになったことを発表している。

LF DLは、AIや機械学習、ディープラーニング分野のオープンソースイノベーション推進のためのプロジェクト運営を行っており、Uberが開始しているPyTorch上で動作するフレームワークPyroがIncubate Projectになっている。

Pyroは、一般性(すべての計算可能な確率分布を表現する)、拡張性(大規模なデータセットも小さいオーバーヘッドで扱うことができる)、最小(少数の強力で部品化された抽象によって実装される)、柔軟性(必要に応じて常に自動化と制御が可能)の4つを指針として設計。Pytorch同様、Pythonコードにライブラリをインポートして利用できる。今回、LF Deep Learning Foundationの5番目のプロジェクトとしてインキュベーションプロジェクトになっている。Siemens、IBM、Uberなどの大企業からNoodle.AIなどのスタートアップ企業。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、ブロード研究所などでも活用されており、Uberでは、センサー フュージョン、時系列予測、広告キャンペーンの最適化、画像の深層理解のためのデータ拡張で発生する問題解決に利用されている。

LF DLのエグゼクティブ ディレクターであるIbrahim Haddad氏は「LF Deep Learning Foundationは、Pyroが私たちのプロジェクトに加わることを心から歓迎します。本日のUberによるプロジェクトへのコントリビューションの発表により、AI、機械学習、ディープラーニングの包括的なエコシステムを構築するという目標にさらに近づきました。コミュニティが発展し、予測などさまざまな機能のさらなる発展がPyroによってもたらされることを期待しています」とAIや機械学習のエコシステム構築を改めて強調している。

Uber AI Labsの責任者であるZoubin Ghahramani氏は、「PyroはもともとUber AI Labsで作成され、産業界と学会の両方のAI専門家に、より高速でシームレスな深層確率プログラミングを提供することを目的としていました。PyroがLF DLポートフォリオに組み入れられたことで、世界中の研究者が多くの機会を得て、ディープラーニングとベイジアンモデリングが利用しやすくなることを期待しています」と述べている。