アメテック クレアフォーム事業部は2月25日、生産現場での高速かつ高精度の自動計測を実現する3Dスキャニング座標測定装置(CMM)「CUBE-R」の販売を、日本および東アジアの製造業向けに2019年3月5日より開始することを発表した。

  • クレアフォーム

    左から2人目がアメテック クレアフォーム営業本部長のPierre-Hugues Allard氏

CUBE-Rは、最大0.030mmの精度と最大0.050mmの解像度を実現した光学3D測定スキャナ「MetraSCAN 3D-R」をロボットに搭載し、自動写真測量方式の光学式トラッカーとのキャリブレーションを自動で行うキットを、約4.1m四方の工業用セル内に組み込むことにで、3mまでのサイズの対象物の計測を、高速かつ高精度に、しかも完全自動で行うことを可能とした自動品質測定システム。7本のレーザークロスにより、前世代比12倍の速度となる48万測定値/秒という高速な3Dスキャン測定を、人の手を介することなく、自動計測できるターンキーソリューションで、24時間稼働による人件費削減を実現しつつ、人気の高い独自の3Dソフトウェアプラットフォーム「VXelements」により、リアルタイムに可視化して三次元データ化することが可能となっている。

  • CUBE-R
  • CUBE-R
  • CUBE-Rの概要

また、スキャン前にポジショニングターゲットを同時に取得する光学式トラッカー「C-Track」は、最大4台まで使用することが可能なため、車両などの大きな対象物にも対応することができるようになっている(測定範囲容積は16.6m3)。

さらに、同システムは、各ユニットを約4.1m四方の工業用セルの内部に完全キットとして組み込んであるため、インテグレーション作業などは不要で、そのままターンキーソリューションとして活用が可能。そのため、導入も早くでき、最短3週間で稼動開始ができると同社では説明している。

  • CUBE-R

    CUBE-Rはターンキーソリューションのため、導入から稼動まで短期間で実現できる

なお、同システムの参考販売価格は4000万円(税別)。すでにデモ用実機が2月25日時点では世界に3台配備されており、そのうち1台が日本の同社オフィス(千葉県成田市)にて稼動を開始している。同社では、成田という地の利を生かすことで、日本の顧客のみならず、中国を含む東アジアの大手製造業各社に向けてアピールしていくことで、市場シェアの拡大を図っていきたいとしている。

  • CUBE-R
  • CUBE-R
  • 同社成田オフィスに設置されたデモ用実機